著者のノートを使った思考訓練術やメソッドが惜しみなく公開された一冊。「齋藤式 思考・能力を鍛えるノート術」だとさすがにゲスいかもしれないが、ちょっとタイトルで損をしている印象を受けました。数年前からのノート術ブームから考えても、絶対タイトルに「ノート術」と入れなきゃ、編集さん!
ノートを使い、書くことによって思考訓練したい人はこれを読み、自分に合うメソッドからどんどんやっていけばいいと思います。考えをまとめるノート術以外にも、人の話を聴きながらとるノート術、ストレスを吐き出すためのノート術…とメソッドのバラエティに富んでいますので、一つのメソッドが無意識でできるレベルまで習慣化するか、飽きてノートを書かなくなってきた頃に新しいメソッドをやってみるのがオススメです。
本書の位置づけとしては、『「読む・書く・話す」を一瞬でモノにする技術』でインプットしたことのアウトプット編というところでしょうか。ただ、アウトプットと言っても、作品を作るとかではなく、準備体操や練習、あるいは「知的修行」といったところ。野球で言うと素振りやティーバッティング、ノックや打撃練習といった感じですかね。
あとは他で書いたことの繰り返しになりますが、メソッドを実際にやってみて、自分とメソッドを馴染ませながら自分なりのノート術を確立するだけです。「するだけです」って、それがなかなか難しいんですけどね。
《参考》
・石井裕之『なぜ、占い師は信用されるのか? 「コールドリーディング」のすべて』
・齋藤孝さんのトリセツ