2012年8月13日月曜日
[紹介] 神田昌典『全脳思考』
非科学的・オカルトチックにも見えうるのは、占い的な手法を用いてるから。つまり、一見無関係なことを使ってどれだけ自分が認識していないことを引き出すか。詳しくは以下を参照のこと。(crossreview)
評価や紹介が非常に難しい本です。
まず、何の予備知識も無く読んで、書いていることが理解できるかというと、かなり難しいじゃないでしょうか。
かくいう私も全脳思考の勉強会みたいなのがあってその予習に読んだのですが、今イチ内容がつかめませんでした。全脳思考がどういうものかわかったのは実際にやってみてからでした。
これはスポーツの技術書と似たような話で、本を読んだだけではフォークボールが投げれらるようになったり月面宙返りができるようになったりするわけではない、というようなものです。…例えが変かな?
全脳思考の簡単なやり方については、著者自らがレクチャー動画をYouTubeにアップしているので、そちらをご覧になって下さい。http://www.youtube.com/watch?v=uPO4n0RYUjM
動画を見ても「なんだコレ?」と思われる方に向け、僕なりの全脳思考の理解を二点ほど書いてみたいと思います。
まず、目の前にある問題解決を考える際に、「全然関係ない誰かを幸せにするストーリーを作っていく」という、問題解決とは一見何の関係もないようなことを先にします。
自分の目の前の問題を考えるとき、人間はどうしても既に考えてきた枠のようなものに思考や発想が限定されます。それを「他人を120%ハッピーにする」という何の関係もないストーリーを考えることを通して、普段なら思考の枠にとらわれて考えつかなかったようなことをひらめいたりする、そのためのアイテムなんじゃないかな、と思ってます。
これって、占いのアイテムとよく似ていると言えそうです。
例えば、タロットカードを使う占い師が、 「未来の所に○○のカードが出ています。これは○○という意味のカードなんですが、何か思い当たることはありますか?」
というようなことを言い、そこで相談者はそのカードが意味しているようなことを、自分の生活の中から探します。
これはコールドリーディングの一種と言えなくもないですが、そういう無理矢理やこじつけのようなことから相談者が普段考えもしないようなことや普段見るのを無意識的に避けているようなことを見つめ、相談者がいつの間にか自分自身で悩みの全体像が見えるようになるわけです。悩みなんてものは全体像が正しく見えればたいていのことは解決できるか割り切れるかしますので、そういう形で悩み解決だったり決断をさせたりするわけです。
ちょっと占いの方に話がそれましたが、そういう風に今まで考えたことのなかったことを考えるためのツール、という意味合いがあるんじゃないかと思ってます。
もう一つは、全然関係のない無責任なストーリーのつもりでも、そのストーリーの形成に自分(たち)が関与していることで愛着が湧き、無機質なアクションプランよりは心理的に実行しやすい、ということがあるのだろうと思います。
感情曲線というのを書き、それを元にストーリーを考えるのですが、なるべく起伏が多い方がそれだけストーリーにイベントを盛り込めますし、実際のプランの進行にしたってトラブルはまま起こるわけです。何より、ストーリーを自分のアクションプランにまで落とし込んだとき、プラン遂行中にトラブルがあっても「あ、あそこの谷間がこれか!」と傍目にはこじつけの解釈だとしても、当人的にはそれで乗り越えてしまう、みたいな効果もあるように思います。
神田さんのところで本格的にやってらっしゃる方には「適当なこと言うなよ、ヲイ!」とお叱りを受けそうですが(笑)、胡散臭いなーと思っていらっしゃる方に説明するならこういうことかな? と思う所を書いてみました。
「120%ハッピーにする」というゴールが設定されていることを口実に、その場にいない友人の不幸話を好き勝手に作るというイレギュラーな使い方もできますが、それだけでも意外に盛り上がりますので(笑)、少しでも興味を持たれた方はとりあえず一度見よう見まねでやってみて下さい。