2012年8月10日金曜日
[紹介] 荘司雅彦『六法で身につける 荘司雅彦の法律力養成講座』
知識ゼロの人向け、法律のコアの部分を学べる良書。刑法では択一的競合の話にも盛り込まれており、概説だけでなく法的思考(リーガルマインド)にも触れることができる。法律を見渡す"観光案内板"としてオススメ!(crossreview)
友人から、法律についてちょっと勉強したいので本を紹介して欲しいという声をいただきました。
オーダーとしては、
・そもそも六法ってどんな種類があって全体像はどんな感じ?(概略を知りたい)
・憲法のような理念的なのよりも、実践的なものキボンヌ。(調べようと思ったときに、どの法律のことか当たりがつけられるように)
・「サルでもわかる」とか予備校の実況中継的な読みやすいのをお願い!(冊数も少なめで)
ということでした。
そんなアヒルの友人に最初の一冊としてオススメするのが本書です。
法律について全く知らない人を対象に、六法のコアの部分を平易に解説してくれています。
内容としてはややアラカルトではありますが、刑法の所では因果関係の議論(択一的競合の問題)が取り上げられていたりして、刑法的な考え方についても触れられています。この点、単に六法の概略を説明して終わるだけでなく、リーガルマインド(「法的思考」のこと。マインドといっても気持ちではないので注意!)の香りもしてるのが個人的には好印象です。
そして、分量もさほど多くなく、文章も読みやすいので、サクッと法律について一冊読んでみるというときにオススメです。
「法律」の観光案内板を見るつもりで、ざっと読んじゃって下さい。
あ、最後に一つだけ注意事項を。
本書で参考文献に挙げられているのは司法試験の定番基本書(ただ若干古めのチョイス)や判例集だったりするので、もう少し詳しく知りたいと思われたら、『伊藤真の○○法入門』辺りに進んでください。