2012年8月22日水曜日

[紹介] 島本和彦『逆境ナイン』(3巻)

島本和彦『逆境ナイン』(3巻)
遊園地デートがばれ、どん底の不屈を救う父の言葉。そして二人で吼える!w 決勝の相手に怖じ気づいてしまうナインを説得する「思い出は一生ものだが、決められるのは今だけだっ!」って台詞がとにかくカッコイイ!(crossreview

 高校野球の地区大会2回戦を、遊園地デートですっぽかしてしまい、しかもその姿をナインに見られてしまった不屈。帰宅後、「うわあああああっ!」と絶叫しながら金属バットで部屋中のものを殴りまくります。
 医者に二週間の休養を命じられていたから試合に行ってもどうせ投げられず、かえって試合会場に足を運ぶと投げてしまう…と思っていた矢先に、美少女から遊園地に誘われたこと、などが家族に取り押さえられた不屈の口から語られます。
 それを聞いた不屈の父は、「それならば謝れ!」と不屈に言います。
突き進んでいる時は振り返るなっ闘志!
優勝旗を手にしたあとに好きなだけ振り返れ!!
こまい逆境なんかにいちいち全力でぶつかっていたらどうなるっ!?
時間は限られている!
どでかい目標に向かっている時は、いちいち構うな!
振り返って進んじまえっ!!
そして父は続けて言います。
吼えるぞっ!闘志!
そして、親子二人で「うおおおおおおおっ!」と絶叫。やがて家族全員で吼えることになります。
 何でここで吼えるのか、そんなの愚問です。ここで吼えなきゃウソです!

 その後、不屈の代わりに投げていた萩原が腕を怪我し、不屈をマウンドに上げるしかなくなるのですが、全力ナインは躊躇します。
 その時、監督サカキバラゴウのセリフ、
たたけばホコリは出る!!
この一言で不屈は再びマウンドに上がります。


 地区予選決勝の相手・日の出商業のとんでもない実力を見てすっかり意気消沈してしまう全力ナイン。それを説得する不屈はこう言います。

いいか、たとえ明日の試合がどうなろうと、来年になればまた夏が来る!!
1年に1回は必ず夏はやってくるんだ。 
その時おまえは何を思う!?
夏が来るたびに―― 
腰を抜かして、戦う前に逃げた過去を思い浮かべるのか!?
それとも強大な相手に対し、果敢に立ち向かった思い出か!? 
どちらかひとつを選べっ! 
選ぶのだっ! 
思い出は一生ものだが、
決められるのは今だけだっ!!

 島本先生もこのセリフがお好きだそうですが、これは問答無用でカッコ良いです!

 そして、あの野球マンガ史に残る伝説の名試合、最大の逆境が訪れるのです…