逆境とは!?全力学園の野球部キャプテン・不屈闘志(ふくつ・とうし)が校長室に呼び出されるところから物語は始まります。
思うようにならない境遇や
不運な境遇のことをいう!!
「野球部キャプテン
不屈闘志、入りますっ!!」
「廃部だっ!!」いきなりの有無を言わせぬ通告。うろたえる不屈。とりつく島のない校長。
普通の人間なら意気消沈してしまうところだが、ここで不屈は不適に笑い出します。
「フッ、
フッフッフッ、
フハハハハハハ!
ウワーーッハッハッハッハー
ハーッハッ
校長!!
ここのスミに、
でっかい優勝旗を起きたいとは
思いませんかっ!?」
禅問答のような切り返し! 噛み合わない会話。
こんなこと言ってみたいよ、俺も(笑)
野球部を存続させるため、十日後に甲子園常連校・日の出学園との練習試合に勝たなければならなくなった不屈。
困惑する野球部員たちを説得し、猛練習に励む全力学園野球部だが、彼らに更なる逆境が襲いかかります。
・ライト 山下:ラジオを直している途中、ハンダゴテで右手を火傷。プレーは無理。
・サード 南:英語のテストで赤点を取る。試合の日に補習があり、出場不可。
・ショート 新屋敷:女に振られて放心状態、戦意喪失、やる気ゼロ。プレーは無理。
・セカンド 小林:でかい犬に噛まれて負傷。プレーは無理。
・センター 横山:試合当日のバイトを引き受けてしまい出場不可。
・ファースト 後藤:健在だったが不屈の猛練習についていけず失踪。
・レフト 古家:雨の中の猛練習で風邪を引きダウン。出場不可。
逆境に継ぐ逆境の中、それでも勝利を諦めない不屈の言葉がたまらない!
新聞部の取材で「部員に無茶のさせすぎでは?」と質問されたのに対し、不屈は「男のみっつの条件がおれたちに無茶をさせているのだ」と答えます。
では、そのみっつの条件とは?
「ひとつ!! ――男は、イザという時には、やらなければならない!!」
「ふたつ!! 今が、イザという時である!!!」
「そしてみっつ!! おれは…おれたちは、男なんだッ!!!」単に一つのことを三つに分けて言っただけのようにも思われますが、そんな重箱の隅をつつくようなこんまい事に拘泥する方がおかしいと思わされるこの説得力! カッコ良すぎ!(笑)
しかし、そんな不屈に更なる逆境が…
試合当日の朝、三角巾で左腕を吊る不屈は、それでも言い放ちます。
「今日の試合……勝つ!!」
あまりの迫力に、「どうやって勝つんだよ!?」という真っ当な問いすら封印され、キャプテン不屈の言葉に奮起するナイン。自らの犠牲をいとわず、キャプテンについていきます。
この逆境を乗り切った不屈に更なる逆境が。【以下、一部ネタバレを含みます】
黒風高校との練習試合。
黒風ナインは、全力学園野球部マネージャー・月野さんが用意したお弁当にあたってしまいます。弱り切った黒風ナインと、それを知ってしまったため全力を出しづらくなってしまった全力ナイン。
不屈はあと一人抑えれば勝ちという場面で、どうしても吹っ切れずにいます。
そこに現れた新任教師のサカキバラ・ゴウ。彼は不屈に「いい言葉」を教えてくれます。
「それはそれ」!!「これはこれ」!!
「そ…っ、そうかっ!!」
ストライーク
バッターアウトッ!!
いやーあれこれ考えた挙げ句、一周回ってねじ切れたような理屈がもう本当にたまりません!
野球部存続のための条件・甲子園優勝は果たせるのか? 全力ナインの戦いは次巻に続きます。