2012年8月26日日曜日

まさかの氷河登場!しかもあのダンス付!! (聖闘士星矢Ω 第21話)

予告に出ていなかった氷河の登場は不意打ちでした。
そしてあの説得…(笑)。氷河の諭し方にコーチングの神髄を見たッ!

《あらすじ》 第21話 とべないペガサス!喪失からの旅立ち!
エデンの圧倒的な小宇宙の前に敗北し、光牙はアリアを奪われてしまう。屈辱的な敗北に自暴自棄になる光牙。アリアを奪還したエデンはマルスと謁見する。地上に起きている異変について聞くエデンだったが、マルスは逆にエデンのやさしさを咎めるのだった。一方、落ち込んでいる光牙を奮い立たせようと、自分の修行地であった氷原へと連れて来たユナ。だが、ユナの気持ちを受け入れられない光牙は、ケンカをしてクレバスの底へと落下してしまう!
公式サイトより)
前回、エデンに屈辱的な大敗北を喫し、アリアを奪われた光牙たち。
『聖闘士星矢Ω』第21話
光牙は己のふがいなさに自暴自棄になります。
『聖闘士星矢Ω』第21話
『聖闘士星矢Ω』第21話
『聖闘士星矢Ω』第21話
これだけ力が残ってたんなら、それをエデンにぶつければ良かったのに…

一方、勝者のエデンさんも、今イチ喜べません。
大好きなアリアたんがこの表情だからです。
『聖闘士星矢Ω』第21話
『聖闘士星矢Ω』第21話
この画を見た時、一瞬デカい死体が置いてあるのかと思いましたが、これ、アリアのベッドだったんですね。

アリアに入れあげるエデンに、義姉のソニア様はついお小言を漏らしてしまいます。
『聖闘士星矢Ω』第21話
「アリアがアテナでなければ、二度とここへは戻れなかったんだぞ」
と言葉に棘があります。
どうやらブラコン姉さんはアリアに若干嫉妬しているようで、小姑感がにじみ出ています。
一輝―瞬ラインのブラコン設定がこういう形で引き継がれているのは、原作リスペクト…とは言えんわ、やっぱり!

マルス父ちゃんにご報告に上がる二人。
マルス父ちゃんは悪者の演出の定番、ワインぐるぐるをしています。
だけど父ちゃん、マスクなのか素顔なのかは知りませんが、口がないので飲めません。『聖闘士星矢Ω』第21話
いや、いちびった下戸やないんやから…

手柄を立てたこのタイミングで、日頃の疑問をマルス父ちゃんにぶつけるエデン。
「何であのキレイなパライストラを、あんな闇の力で覆っちゃったんすか? 台無しですやん」『聖闘士星矢Ω』第21話
マルス父ちゃんは「いや、今、世の中はどこもすさんでエラいことになってるやん。せやから新しく創造しなきゃいかんのよ。そのためには、一時的な被害もしゃあないねん…わかるな。」と、「ダウンタウンのごっつええ感じ」に出てきた兄貴のような説得をします。


しかし、それでも今イチ納得いかないエデン。
更に詰め寄ります。
「アリアをもうちょっと自由にしてやるわけにはいかんのですか?」
ソニア姉ちゃん、この発言にビックリ!
小姑ポジションからエデンに説教をします。
おそらく父ちゃんを怒らせないようにする意図もあったのでしょう。

しかし、あまりにヌルいことばっか言ってるエデンに、父ちゃんはワイングラスを手から落とします。このとき、ワインはこぼれましたが、ワイングラスは割れませんでした。おそらく、髭男爵が使っている強化ガラス製のワイングラスだったのでしょう。

『聖闘士星矢Ω』第21話
(怖い、怖すぎます、父ちゃん!)

ババちびるほど怖い父ちゃんは、優しく諭すように帝王学を語ります。
「お前は将来、王様になってアリアと一緒に聖域を治める立場なんやで。
 優しすぎるのは弱さに繋がるよ。
 エデン君は弱い子なのかな?」
強い弱いというわかりやすく、かつエデンの価値観に響く言葉で誘導尋問するマルス父ちゃん。プリンス・エデンはモノの見事に引っかかります。
「僕、強い子です!」
しかし、エデンの表情からは、父に対する疑念が晴れていないことが表れています。そりゃそうです、こんな闇の小宇宙全開で目が赤く光ってるマルスが、かつてのパライストラのような美しい自然に囲まれた素晴らしい世界を作ってくれるなんて、ビジュアル的に思えませんから。
どんなに立派なことを言ってたとしても、発言内容だけで判断してはいけません。発話者の態度、生き様、そういったものこそが、発話者の発言の信憑性を担保するのです。エデン君は帝王学の他に、支配者として新興宗教のインチキ教祖についても学ぶべきです(例えば、信者にオウム飯を食わせつつ、自分は深夜のファミレスでパーコー麺を食うのが好きだったという松本智津夫など)。

一方、エデンに圧倒的な実力差を見せつけられ、屈辱的な負けを喫した上にアリアを攫われ、かつてその親父・マルスに沙織さんを攫われたトラウマスイッチも蘇り、すっかり負け犬になった光牙。
そのヘタレな態度に業を煮やしたユナの鉄拳制裁が始まります。

『聖闘士星矢Ω』第21話
『聖闘士星矢Ω』第21話

『聖闘士星矢Ω』第21話
その熱い涙と熱い拳は、闘将・西本幸雄を思い起こさせます。
パ・リーグを生きた男 悲運の闘将・西本幸雄

ユナの気持ちはすごくよくわかりますし、胸もすきました。
だけど同時に、「こういうのってどうなんだろう?」とも見ていて思いました。
というのは、光牙って当年13歳なんですよ? 中1ですよ? 確かに両親は不明とはいえ、沙織さんと辰巳、そしてシャイナさんに厳しくも暖かく育てられ、こないだまで「何で聖闘士になんかならなきゃいけねーんだよ」とか反抗期やってたガキなんです。
それなのに、ある日突然目の前であこがれの沙織さんを化け物に攫われ、それから劇的に生活が変わり、命を危機にさらす日々が続くわけです。心を通わせた仲間の男達はどっか行くし、それでアリアまで攫われたひにゃあ、多少なりともヘタレたってしょうがないじゃないですか。
「私も友達攫われたのよ!」というユナの言もわかりますが、でもユナは子供の頃からかっぱらいと過酷な生き方してきた強者で、やっぱり何だかんだで温室育ちの光牙の弱さはわかんないだろうなぁ、と思うんです。

ユナは自分が聖闘士になるために受けた試練の場に光牙を連れて行きます。
って、毎回言うけど、ここ、どこなの?(笑)

ヘタレを厳しい環境に放り込めば強くなって帰ってくる、って戸塚ヨットスクールじゃないんだから…と思いながら見ていると、事態は思わぬ方向に!

『聖闘士星矢Ω』第21話
『聖闘士星矢Ω』第21話
え! これ、氷河じゃね!?

これはまさかの展開でした。
今までは、次回予告で旧作のレジェンド聖闘士登場がアナウンスされていたので、完全に盲点でした。やられたー!

一方、エデンは子供の頃のアリアを思い出していました。
『聖闘士星矢Ω』第21話『聖闘士星矢Ω』第21話
『聖闘士星矢Ω』第21話『聖闘士星矢Ω』第21話
こんな小さい頃からアリアを閉じ込めてたのがテメェの親父なのに、アリアと心通わせられるとか思ってるプリンス・エデンの勘違いっぷりはかなり重症です。
プリンス・エデンは、いっぺん東大に行って上野千鶴子にでも叱られて来るべきでしょう。

『聖闘士星矢Ω』第21話
『聖闘士星矢Ω』第21話
『聖闘士星矢Ω』第21話
傷心のアリアに、イヤリング(それも片方だけ!)をつけてあげるプリンス・エデン。
ここで褒めるべきは、左手に手袋をしたままイヤリングをつけてあげていた、その器用さでしょう。

さて、氷河のコーチングがはじまります。
氷河は光牙の弱さやヘタレっぷりを責めたりしません。
そりゃあそうでしょう、何だかんだ言ってレジェンドの5人の中で一番ヘタレだったのは、何を隠そう当の氷河さんじゃあございませんか!
故・城戸光政の愛人の一人だった氷河のマーマ(もしかして、ロシア人である氷河のマーマさんは、新宿や中野辺りで10分6000円のプライベートダンサーとかしてたんだろうか? 等と嫌な疑問が湧いてきます。つくづく、大人になるって汚れることだなと思わされます)。船の事故でマーマを喪ったことは同情いたしますが、それにしても、です。
聖闘士になってからも母ちゃんに会いに素潜りを続ける氷河。そのマザコンぶりに呆れた師匠が海底地震を起こして船を沈め、十二宮では師匠手ずから氷河を凍り漬けにします。
修行仲間のアイザックには「え? お前、母ちゃんを引き上げたいから聖闘士になりたいって!?」と、その不純な動機を理由にフルボッコにされています。確かに、よく考えれば聖闘士にならなくても船を引き上げる力さえ付ければOKなんじゃね? とは思うわけで…
とにかく、氷河はそのマザコンぶりを関係者にこっぴどく叱られ続けているわけです。
なのに、三十路になんなんとする氷河は、未だにマーマのことを引きずっています。
『聖闘士星矢Ω』第21話
正直、色々どうなんだ、と思うところはあります。
が、こと光牙に対するコーチングとして良かったんじゃないでしょうか。
というのも、氷河は光牙に対し、ひたすら「お前は俺と違って、会いに行こうと思えば行けるじゃん。後は会いに行こうとするかどうかだ」と前向きな説教しかしませんでした。
それでもヌルいことを言いそうな光牙に対し、初めて実力行使の鉄拳制裁を発動する氷河。「俺の与える試練を越えていけ」という感じで、コーチングとしては上出来の部類だったと思います。
『聖闘士星矢Ω』第21話
(上着をがばっと脱いだ氷河。氷河も例の宇宙創に冒されています。レジェンド聖闘士が戦えないのはそういうわけなのね。
 それにしても、氷河のこの帽子とコートと宇宙創を見ていると、「傷痍軍人」という言葉が頭をよぎります)
『聖闘士星矢Ω』第21話
おお! かつての勇姿が!!
『聖闘士星矢Ω』第21話
そしてあのダンス!(笑)
『聖闘士星矢Ω』第21話
『聖闘士星矢Ω』第21話
ダイヤモンドダスト!…なんだ。
あのダンスからはオーロラ・サンダー・アタックだったんだけど、そこは手加減してくれたんだ、優しいコーチだなぁ、氷河は。

…と思ってたら、光牙はこんなことに。
『聖闘士星矢Ω』第21話
画像だけでみるとギャグみたいですが、この氷河の病躯を押した試練を乗り越え、とべないペガサスは再び羽ばたきます。

『聖闘士星矢Ω』第21話
いや、サーカスの人間大砲じゃないんだからwww

『聖闘士星矢Ω』第21話
『聖闘士星矢Ω』第21話
極度のマザコンがヘタレの性根を直すって、実はアニメ史残る新しいアプローチだったのかも知れません。
ただ、この自信の表情が、マザコン氷河さんによって生み出されたものと言うところに、若干の引っかかりを覚えるところではあります。
『聖闘士星矢Ω』第21話
『聖闘士星矢Ω』第21話
『聖闘士星矢Ω』第21話
(今回のベストショット!)
『聖闘士星矢Ω』第21話
人間大砲を経て凛々しくなった光牙。
さて、これからの展開が気になる…と思ったら、次回はまさかの忍者の里!
「ついに栄斗の過去が明かされる!」って煽りでしたが、正直、別に知りたくないです…(笑)