会社の先輩に誘われたスキー旅行で正明は春香と出会った。その後、正明の目の前に春香そっくりの女・美奈子が現れる。清楚な春香と大胆な美奈子の間で揺れ動く心。『イニシエーション・ラブ』のドンデン返しが再び!(crossreview)
女性に縁の無かった主人公・里谷正明は、先輩に誘われたスキー旅行で、春香と出会う。清楚な春香と付き合うことになった正明は、頑なだった心がどんどん変わっていく。甘酸っぱくも幸せな日々に変化が訪れたのは、春香とそっくりな女・美奈子と出会った時だった。清楚な春香と大胆な美奈子の間で揺れ動く心。
本作だけでも十分楽しめるが、できればシリーズ前作に当たる『イニシエーション・ラブ』を前後に読まれることをオススメする。
※以下は、前作『イニシエーション・ラブ』を読まれた方のみお読み下さい。
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今回もやられました。
『イニシエーション・ラブ』と違って、冒頭で結婚式の話が書かれていたので、だいたいのネタはわかったつもりで読んでました。が、最終パラグラフを読んだ時、今回も「やられた!」となりました。
恋愛ミステリというジャンルになるそうですが、こういう叙述トリックは作り手の頭の良さに感服しちゃいます。最後のどんでん返しも、爽快に騙されて清々しいです(変な表現ですが)。
レビューの中には「『イニシエーション・ラブ』の驚きを期待して読んだが、それには及ばなかった」という意見が散見されます。確かにそれはその通りで、『イニシエーション・ラブ』と比較した時、どうしても驚きは一段落ちてしまいます。だから、これから読まれる方は過度な期待を抱かずに読むのが良いかと(じゃないと、勝手に期待しまくって読んで、勝手に裏切られて勝手に怒る、というせっかくの読書が台無しになってしまいますから)。
ミステリは読み慣れると、途中で仕掛けがわかっちゃうそうなので、そうなると「いっぱい読みたいけど、そうすると楽しめなくなる」というジレンマに陥りそうです(笑)。その点、幸か不幸は私は飽きっぽい乱読派なので、適性距離を置いてミステリとお付き合いできそうです(笑)。
でも、本当にやみつきになりそう。乾くるみ作品は他のシリーズも読んでみようと思います。
※以下は、本書を読まれた方のみお読み下さい。
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序章で思いっきり仕掛けをバラしたと思わせつつ、実はそれ自体が最大のミスリーディングだった、というのには上手いなぁと感嘆しました。
最後のオチはミステリとしてはちょっと反則?とも一瞬思いましたが、オチに対する振りは本編の中でなされていたので、十分アリだな、くそう、ちゃんとヒント出してあったんだ…と気持ちよく悔しがりました(笑)。