2013年1月30日水曜日

柔道女子選手の体罰・パワハラ告発が公表されていなかったことについて


 今朝、柔道女子ロンドン五輪代表選手15名が、監督から体罰やパワハラを受けていたとしてJOCに告発文を提出していた、というニュースに接しました。

 少し気になってネットを検索したところ、告発文が提出されたのが昨年の11月中旬。
 これだけ大きなスキャンダルをJOCは2ヵ月以上も伏せていたわけです。

 確かに、告発内容が真実かどうか確認するまでは告発の事実を公表しないことによって、いたずらに監督の名誉を傷つけないようにする、という配慮があったのかもしれません(監督は事実関係を大筋で認めているようですが)。
 しかし、桜宮高校で自殺事件があったのが昨年12月23日。
 もし柔道女子選手の告発が昨年11月段階で報じられていれば、(衆院選挙報道に押し流されていたかもしれないことを考慮してもなお)あのときに「体罰」問題が取り沙汰されることで「体罰」に対する世論の風当たりが強くなり、結果として桜宮高校バスケ部主将の自殺は避けられていたかもしれません。

 桜宮高校の自殺事件の責任がJOCにもある、などというつもりはありません。
 が、スポーツ界に根強くはびこる「体罰」問題があのとき報道されていれば、一人の命が失われずに済んだかもしれない…結果論とはいえ、そのことを考えると、JOCが公表を伏せていたことについては否定的な評価をせざるを得ません。