お金の側面よりも、プロ野球界の実情(特にスター選手以外の地味な選手の実情)にシフトしている感じ。中継ぎ投手ってつくづく過酷な仕事だと思った。本巻の白眉は「プロ野球選手の交通事情」外国人選手は電車通勤!(crossreview)
「グラウンドには銭が埋まっている」と、プロ野球界をお金の側面から描き出す作品としてスタートしたが、2巻になるとプロ野球の世界の実情を紹介する側面が強くなってきたように思います。
ピッチャーは運動神経と才能の塊と言われているが、そんなピッチャーも怪我に泣かされて一軍登板機会もないまま引退していく話を読むと、つくづくこの世界は実力に加えて運が必要なんだな、と思わされました。
中継ぎ投手って地味ですが、激務なんですよね。登板機会がないかもしれないけど、それでも毎回のようにブルペンで肩を作らないといけないし、試合の流れによって肩ができあがるタイミングを調節しないといけない。こら消耗するわ…。昔、ハロルド作石『ストッパー毒島』で、中継ぎを任されていた頃の毒島が「日本では中継ぎに対する評価が低い」ってボヤいてましたが、ホントそうだと思います。
最後の、プロ野球選手の交通事情(特に外国人の)は、今まで知らなかった話だったので面白かったです。
こう書いてくると説明一辺倒のうんちくマンガっぽいですが、そういうことはなく、プロ野球の世界に生きる主人公・凡田夏之介の物語として読めるので、普通の野球漫画として十分楽しめます。