ほぼ日手帳カズンを使った手帳術の紹介。ビジネス寄りとライフログ寄りという二つの利用法について量を割いて丁寧に説明されており、分量と内容のバランスが良い。デジタルツールとの使い分けについても参考になった。(crossreview)
「シゴタノ!」のサイト連載時から気になっていた連載が本になりました。一度挫折した「ほぼ日手帳カズン」を使った仕事やスケジュール管理の方法が紹介されています。
ほぼ日手帳については公式ガイドブックも毎年発売されていたり、ネット上でもその利用法があれこれ紹介されていたりします。
そんな中で本書が非常に参考になったのは、分量と内容のバランスが良かった点にあるでしょう。
手帳術系の本を読んでいて不満が出てくるときって、一つのやり方をゴリ押ししてくるか、あるいは様々な人の利用法を総花的に紹介するために一メソッド辺りの説明が薄くなるかのどっちかです。
その点、本書はビジネス寄りの北氏とライフログ寄りの倉下氏という、利用形態が適度に異なる二人が、それぞれの利用法についてかなりの紙幅を割いて丁寧に説明しています。分量の点でも、バラエティの点でも、本書くらいのバランスが一番いいんじゃないかと読んでいて思いました。
そしてもう一つ、本書の読みどころは、GoogleカレンダーやEvernoteなどのデジタルツールとアナログのほぼ日手帳の棲み分けについて、かなり突っ込んだ説明がなされているところです。
普通の手帳本だと、どうしても手帳偏重になってしまうところがあったりしますが、本書はデジタルツールの長所・短所とアナログツールの長所・短所を整理し、それらをどう使い分けていくかについて著者等の実例を通して考えが示されています。予定は未定だからデジタルツールで管理した方が変更が容易なのでやりやすく、記録や日記はアナログの手書きが向いている、というのは言えそうですが、両方をバラバラにしてしまうとどうしてもどっちかをおざなりにしてしまいがちです(私は過去それで失敗してきました…orz)。が、本書にはこのデジタルとアナログの橋渡しの方法がかなり意識的に書かれており、非常に参考になりました。
私は、来年(2013年)の手帳をほぼ日手帳カズンに決め、発売日に買いました。決め手は、週間バーティカルとデイリーが両方入っていることでした。本書を読んだ時、北氏が週間バーティカルに予定を書き込み、デイリーの方を日記として使うやり方に「これだ!」と思ったわけです。
ただ、持ち運びにはちょっと重いんだよなぁ…と思いながら、最近ほぼ日手帳の売り場を見ていたら、通常サイズのほぼ日手帳の追加リフィルに週間バーティカルの冊子が! え! それならほぼ日手帳サイズでも同じことできるじゃん!!(…ま、ある程度書き込みサイズが大きい方がいいけど)
ということで、本書の利用法は通常サイズのほぼ日手帳でもかなりの部分が可能です。ビジネスとプライベートをまとめてほぼ日手帳一冊で、と考えている方には非常に参考になる本だと思います。オススメです。
(そう言えば、来年度のほぼ日手帳(通常サイズ)を買ったうちの母親(本書未読)は、使うのが楽しみらしく、9月の内から、
「これ、もう使って良いかな?」
としきりに訊いてきました。とりあえず窘めておいてますが、来年度の手帳をどうやって使うつもりなのか、未だに理解不能です)