2012年10月29日月曜日

[紹介] ジェームズ・W・ヤング『アイデアのつくり方』

ジェームズ・W・ヤング『アイデアのつくり方』
クリエイティブな発想法の基本にして奥義。本文はわずか51頁しかないが、調べて、検討し、寝かせて、ひらめく、というひらめきの過程が、必要十分にまとめられている。すぐに読めるので、是非一読をオススメしたい。(crossreview


 アイデアの作り方に関する、基本にして奥義。
 本文は、わずか51頁分しかない。しかも、アイデアの作られる全過程ないし方法はたったこれだけ。
第一 資料集め――諸君の当面の課題のための資料と一般的知識の貯蔵をたえず豊富にすることから生まれる資料と。
第二 諸君の心の中でこれらの資料に手を加えること。
第三 孵化段階。そこでは諸君は意識の外で何かが自分で組み合わせの仕事をやるのにまかせる。
第四 アイデアの実際上の誕生。<ユーレカ! 分かった! 見つけた!>という段階。そして
第五 現実の有用性に合致させるために最終的にアイデアを具体化し、展開させる段階。
(54-55頁)
資料を収集し、分析と検討を加えた後、一度「寝かせる」ために忘れ、あるときひらめいたらそれを形にする。シンプルすぎるくらいシンプルな定式である。
 だが、あらゆる分野でのひらめき・発想というのはほとんどこの過程を経る。言われればその通りなんだけど、これをキッチリできない人も多いのは確か。その意味で「基本にして奥義」。

 すぐ読める本だが、その内容は骨太で本質を突いている。発想法本では引用や言及されることが多い「古典」なので、一読しておくことをオススメする。