2012年7月27日金曜日
[紹介] 桂雀々『必死のパッチ』
壮絶な少年時代を赤裸々に綴った雀々師匠の自叙伝。借金取りに必死に事情を説明し、取立てに来た借金取りから5千円もらうって!w 雀々師匠がこの話を結婚式でしたときに、あの上岡龍太郎が涙したという逸話付き!(crossreview)
壮絶な少年時代を赤裸々に綴った、雀々師匠の自叙伝。
まさに、昭和の『ホームレス中学生』!
母に捨てられ、父に捨てられ(父親に殺されかけるという壮絶な一幕も)、独り取り残された家に来た借金取りに必死に事情を説明し、取立てに来た借金取りから5千円もらうという、壮絶を通り越した「超絶」なエピソード。
確かに笑うんですが、何というか「こんなん、もう笑うしかあらへんわ!」というのも無きにしも非ずで(笑)。
著者の明るくポジティブな人間性に支えられてなかったら読めない話かも。
(逆に言うと、それだけ著者の人間性が筋金入りのネアカだと言うこと)
昭和の『ホームレス中学生』と言いましたが、本書でも『ホームレス中学生』でも、孤独になった主人公を支えてくれたのは近所の人であったり友達のお母さんだったりします。
地域コミュニティと括ってしまえば一緒のようにも感じますが、本書は昔ながらの長屋づきあいといいますか、「Always 三丁目の夕日」的な香りが強く感じられました。
そういう意味では両書を読み比べてみるのも面白いかも。
ちなみに、著者は自身の結婚式でこの話をしたそうなんですが、出席していたあの上岡龍太郎が涙したという逸話があります(笑)。