2012年4月23日月曜日

[紹介] 野内良三『日本語作文術』

野内良三『日本語作文術』

長い説明から書けというセンテンスの書き方と、短文のススメが特に参考になりました。諺や定型表現の使い方とその一覧も秀逸!でも読んでると自分の文章がいかにパターン化されたものかも痛感させられました…orz(crossreview

非常に実用度の高い文章術本。
1.作文術の心得―短文道場
2.文をまとめる―段落道場
3.段落を組み立てる―論証道場
4.定型表現を使いこなす―日本語語彙道場
という全4章構成で、特に参考になるのは第1章。
一文はできるだけ短く、というのはだらだら書いてしまう自分には耳が痛い指摘。本章に書いてあることをマスターするだけで文章は劇的に上手くなるはず。分量的に物足りない方は、本多勝一『中学生からの作文技術』→『日本語の作文技術』に進んで下さい。
ただし、こういう技術は本を読んだあとどれだけ練習して習得するかが圧倒的に大事ですから、いたずらに手を広げない方が良いのも確かです。

第2章は、パラグラフ・ライティングの基礎とも言うべき内容。著者がレトリックの研究者なので、西洋の論理学・修辞学を基礎に説明してあります。だから、ややアクロバティックな使い方としては、大学受験の長文問題が苦手な受験生がここを読んで、パラグラフ・リーディングについて裏から学ぶ、ということもできるか。
個人的には段落の区切りについても頭を悩ませるところなので参考になります。ただ、ブログとペーパーでは改行・段落の仕方に若干差が出てくると私は思っているが、その辺媒体による段落構成の差異(見栄えの点)についても言及があるともっと良かったかな、と思います。ちょっと欲張りだけど。

第3章はダイジェストすぎてさすがに物足りない感じ。だけど、演繹と帰納など、指摘されていることは大事なこと。

第4章はミニ慣用句辞典。言葉と用例のみの摘示ですが、意味は辞書引けばわかりますし、辞書を引かなくても分かる言葉がほとんど。むしろ、用例こそが必要で、便利で使い出があります。
本書の内容で物足りない人は井上宗雄監修『例解慣用句辞典』へお進み下さい。


展開的な本も合わせて紹介してきましたが、正直本書の内容を完全にマスターするだけで文章表現は劇的に上手くなると思います。文章術の教本というだけでなく、文章を書くときには手元に置いておき、気になることがあったらまず参照する「一冊目」としてもオススメです。