それを補う意味で、パライストラに軍学者の兵頭二十八さんを講師として招くことを提案したい!
《あらすじ》 第63話 星矢、出陣!アテナの決意!冒頭、天秤座の玄武の葬儀が執り行われていました。
命をかけてパライストラを守った玄武。その死は様々な影響をもたらした。玄武の意思を継いでパラサイトと戦う決意を新たにする光牙たち。だが、多くの聖闘士たちは意気消沈し、戦う気力を失っていた。その不安な心を聞き取ったハティは、この好機にパライストラを陥落させようとパラサイト兵を率いて進軍する。その圧倒的な物量の前にしても、ひるまず立ち向かう光牙たち。その戦いが始まろうとしたその時、黄金の光が飛来した!
(公式サイトより)
光牙達がパライストラの制服を着用していたところから、これが「学生」にとっての正装であることはわかるのですが、檄先生も着用している所を見ると、いわゆる「学ラン」(三島由紀夫が自衛隊員に決起を促していたときも着用していましたよね?)みたいな位置づけだろうと思われます。
玄武の遺した天秤座の聖衣石は、檄の判断により龍峰に託されることとなりました。
天秤座の黄金聖衣は老師→紫龍→玄武と守られてきたものなので、関係者の龍峰が預かっておけ、という判断なのでしょうが、視聴者としてはこれが紫龍参戦の伏線であることを祈るところです。
それにしても玄武の葬儀の参列者が少ないように感じます。普段の十倍の戦力とやらは軒並み歩哨に立っているのでしょうか。
黄金聖闘士の死に直面し、不安を吐露するカジキ先輩。
そういう弱音はちゃんと敵と戦ってから言って欲しいものです。
そして、このカジキ先輩の弱音を外から聞いていたのが、出世欲剥き出しの"意識の高いパラサイト"ことハティ。
士気が下がっている今こそ、パライストラを陥落させ階級を上げるチャンス!とニンマリしていました。
が、それ以前に、湖を挟んだ向こう側からそんなつぶやきを聞かれているということの方が大問題です。要するにパライストラの内情など、ハティが本気出せば全部筒抜けになり、作戦・防諜・機密保持などの概念が吹っ飛びかねない状態ということです。
パライストラ側がそれに気づいていないのは仕方ないとして、問題はパラサイト側。栄人に捕まってパラサイト側の情報を逆に捕まれるリスクを冒すよりも、はじめから諜報活動にハティを使っていれば良かったことになります。
また、ハティもその聴力を生かして諜報のスペシャリストとして働いた方が彼の望む出世もしやすいはず。
ハティは、本気で出世したいのであれば、勝間和代の本で良いからビジネス書か何かを読んだ方がいいと思います。
一方、ハイペリオンは聖剣のヒビと引き替えに黄金聖闘士を片付けてご満悦です。
(タイタンさん、その哀れむような目、やめてあげて!)
玄武の死により、聖闘士の士気が下がっているどころの話では無く、パライストラ全体に不安が広がっています。
だから迂闊に死んじゃダメだったのに…と思うのですが、光牙や龍峰たち青銅聖闘士は玄武から熱い魂を受け取った、とやる気を見せます。
玄武が最後に言い残した「Ω」について、檄先生も「セブンセンシズを凌駕する究極の領域」などとボヤッとしたことしか知りませんでした。
こういう大事なことを記録に遺さず死んでいくことで、聖闘士の文化が失われていくわけです。神話の時代から倦むほど戦いに明け暮れてきた集団なのに、そのノウハウの蓄積が恐ろしいほどなされてこなかった聖闘士業界の体質は、もうそろそろ見直されないといけません。
その頃、歩哨に立っていた昴たち鋼鉄聖闘士はハティの襲撃に遭遇します。
そこに青銅聖闘士たちも駆けつけます。
「あなたたち青銅聖闘士も目上が消えて出世のチャンス到来ですね!」
「うるせえ、お前らみたいな組織とは違うんだよ!」
という問答のあと、パラサイトの雑兵による突撃がはじまります。
と、そこへ降り立つ黄金色の小宇宙が…。
射手座の黄金聖闘士・星矢の登場です。
星矢が一閃するだけで、雑兵が全滅。
ここで聞き捨てならないハティの一言が。
「こ、これは!? 光の速度を超えるという光速拳!」
光速拳だったら光の速度を超さないと思うのですが…
星矢は先代の射手座の聖闘士・アイオロスを顕彰するような発言を述べた後、アイオロスの必殺技(アニメのみ登場)であるアトミック・サンダーボルトを放ちます。
星矢がアイオロスのことに詳しいのは、おそらく射手座の黄金聖闘士になったとき、人馬宮の「射手座ランド」(これもアニメ版のみ登場)を何度も体験してアイオロスのことを学んだからだと思われます。
このとき、ハティは土下座の体勢を取ってアトミック・サンダーボルトを躱します。躱す方もマヌケですが、躱される方もだいぶん間の抜けた話ではあります。黄金聖闘士が簡単に雑魚を一掃する姿を見て改めて思うのが、やはり聖闘士星矢の世界は軍人将棋方式だよな、ということ。駒がいっぱいあっても、結局中将・大将辺りでほとんどの駒を片付けられるということです。
私が教皇など聖闘士を指揮できる立場にあれば、ハービンジャー辺りを派遣してあっちこっちの雑魚を片っ端から片付けさせます(軍人将棋で言えば大将・中将クラス)。後は聖域に閉じこもって迎え撃つだけでいいと思うのですが、それだと物語として全く面白く無いことも確かです。言うだけ野暮だと言うことはわかってますって、ええ。
と、続いて登場するのがアテナ・城戸沙織。
アテナのどデカい小宇宙に対し、土下座をして撤退するハティ。土下座はしなくても良かったように思いますが、このハティ、強い物には徹底的に下手に出るキャラなのかも知れません。
(無邪気にはしゃぐ昴ら鋼鉄聖闘士たち)
その後、アテナ(とその護衛の星矢)はパライストラ内を見舞います。
パライストラ内に安心と笑顔が広まりましたが、星矢のファッションが相変わらずの袖まくり赤Tシャツにジーパンであることに、テレビのこちら側にも笑顔を広めてくれました。
久しぶりに沙織さんと会えて、水入らずで話をする光牙。
アテナの聖闘士として戦う決意を語る、しおらしい光牙。
その光牙が去ると同時に「アイツも立派な聖闘士と言うことだ」とすかさずしゃしゃり出てきたのが星矢でした。もう完全にデキてるよね、この二人。
「かつては姉妹のように仲良く育ったパラス」といつの話をしているのかさっぱりわからない、そんな訳のわからない事情で、必死に戦ってきた聖闘士の上で心中密かにパラスと戦うことを逡巡していたアテナ。そのアテナも、玄武の死によってやっとパラスと戦う覚悟を決めます。
玄武を失わないとその覚悟を決められなかったって、やっぱりこの人(神)を掲げて戦うこと自体、かなりのハンデじゃね?
そしてアテナは、命懸けでパラスと直接接触し、パラスの居場所を探ります。
(アテナに呼び出されて放心状態になるパラス)
(夢の中?のパラスは三白眼で怖いことになっていました)
アテナの命懸けのコンタクトによりパラスの居場所が判明します。
それは「パラスベルダ」って、えーっ!
思いっ切り街の名前に「パラス」って入ってますやん!!
世界中に散らばっているはずの聖闘士や、世界中に張り巡らされているはずのグラード財団情報網は一体何をやっていたんだ、と。
更に言うなら、少し前にスパイとしてパラスベルダに潜り込んでいた青銅聖闘士が居ましたよね? 命を懸ける危険を冒さなくても、コイツ*に聞くだけで良かったはずです。
(*コイツ↑。第52話より)
結論として、エデン君の諜報活動は糞の役にも立たなかった、ということです。
(何も知らずに無邪気に喜ぶパラス)
(無駄なリスクを払ったことにも気づかないアテナと聖闘士の面々。無駄に希望と闘志に燃えています)