鋼鉄聖闘士・昴は色んな意味で男坂を登り出さないか心配でなりません。
オブジェが復活したのは感動なんですが、素直に喜べない自分もいたりします…
《あらすじ》 第52話 新たな聖衣!翔べ、新生ペガサス!軍神マルス、闇の神アプスとの死闘が終わり、平和が訪れた地上。
闘いが終わり平和が戻った地上…
奇妙な夢を見た沙織は、星矢をある場所へと向かわせた。そこで星矢は強大な小宇宙を持つ少女パラスと、謎の男タイタンと出会う。そのころ、故郷の島で静かな生活を送っていた光牙の前に、ひとりの少年が現れた。少年の名前は昴、科学の力で戦う鋼鉄聖闘士だ。そんなふたりの前に不気味な戦士が姿を現す。自分が女神パラスの戦士「パラサイト」だと名乗ったタルヴォスは光牙に襲いかかる。だが、光牙は聖衣をまとえない…ペガサスの聖衣はこれまでの闘いで傷つき死んでしまっていたのだ!
(公式サイトより)
穏やかな休息の日々の中で、アテナは奇妙な夢を見ます。
それは、再び星矢や光牙たちが戦う姿でした。
そして、アテナは星矢をある場所へ向かわせます。
産業廃棄物処理場のような広大なゴミ捨て場の中に降臨した女神パラス。
そして、傍らには射手座の星矢がいました。
星矢の手には黄金の短剣が握られています。
かつてサガがアテナの命を奪おうとしたときに用いられ、冥王ハーデス十二宮編ではアテナ自らが喉を突いたあのいわく付きの短剣です。
星矢に与えられた任務は、戦いが始まる前にこのパラスを亡き者にせよ、というもの。
この任務は、星矢には荷が重すぎました。彼の性格からして、幼女を手にかけるなどできようはずがありませんから。
「星矢、あなたにはいつも過酷な運命を負わせて申し訳ないと思っています」
と独り言つアテナ。
哀れむような言い方ですが、自分を脅かすパラスを子供のうちに殺してこいと命じたのは、当のこの女です。テメェが星矢に汚れ仕事を押しつけといて、何を他人事みたいに言っているのでしょうか。
更に、アテナはここでも人選ミスを犯しています。性格的に考えて星矢がこの任務を達成できるはずありませんし、仮に達成できたとしても深い心の傷を星矢に残します。実際にはこの任務を達成できなかったわけですが、それはそれで星矢の心に暗い影を落とします。
星矢にしか頼めないかと思われそうですが、黄金聖闘士には他にも生き残りがいます。人選で言えば、牡牛座のハービンジャーか乙女座のフドウに任せるべきでした。悟りきったな顔をして北朝鮮ばりに無慈悲な行為もいとわないフドウの方が適任だったと思うのですが…。
それじゃあ物語にならないだろう、という大人の事情は重々承知しています。が、それでも今回のアテナの判断を見ると、相変わらずの人選ミスで人を見る目の無さを露呈し、あまつさえ偽善者ぶるという無能かつ最低な奴と思わずにはいられません。
前期でも神質やってるだけでロクに役に立ってなかったので、いよいよアテナ更迭論の説得力がいや増してきます。
パラスを手にかけることが出来なかった星矢。
そんなパラスを迎えに来たのが、一級パラサイト(笑)のタイタンです。
パラスはアテナの小宇宙を吸収して成長するそうで、パラスが長じるに従ってアテナが衰えるそうです。パラスの、アテナを慕う心が皮肉な因縁となり、アテナを苦しめているそうで、今回もアテナが聖闘士達の足を引っ張ることが予感させられています。
(星矢、あんたは悪くない)
一方の光牙は、戦いが終わり、故郷のしゃくれ島でひとときの休息をとっていました。
ただ、柄にもなく物憂げに考え込んでいます。
久々に登場の辰巳がペガサスの聖衣石を差し出しても、「もう使えねぇから」と受け取るのを拒否しました。
そんな光牙の前に、戦いを挑んでくる男が現れます。
その男の名は昴。
髪型・学ラン・挑発的な物言い、その全てがThat's車田キャラ!丸出しで、この先の展開次第では「風林火山」と彫られた木刀で敵をタコ殴りにしたり、はたまた男坂を登り始めるんじゃないかと気が気ではありません。
昴は光牙を「神殺しの光牙」と呼び、「お前を倒して、俺が神になる!」とまで言われます。いつの間にかとんでもない二つ名を冠されていて、光牙に心底同情しました。
戦闘になりかけたとき、三級パラサイトのタルヴォスが現れます。
「神殺しの光牙」は俺が倒す、といった感じで、光牙殺しを巡って昴とタルヴォスが戦うことに。光牙君、ショタとガチムチにモテモテです。
「普通の人間は相手にしない」と言われてカチンときた昴は、鋼鉄聖衣(スチールクロス)を身に纏います。
何だろう、見ているこっちの胸を締め付ける恥ずかしさは…orz
一方、こちらは聖域。
牡羊座の貴鬼が、羅喜に話すともなく聖闘士の状況を説明してくれます。
時貞やソニアも一応黄金聖闘士にカウントされているようです(ソニアはともかく、時貞に関してはそれで良いかはやや逡巡を覚えるところですが…)。
壁に宝石が填まっているところを見ると、どうやら持ち主がいなくなった聖衣石はこの壁面で管理されているようです。マルスやメディアの手から取り戻し、貴鬼が管理を任されるようになったようにも思われます(そもそも敵方であるマルスやメディアに良いように使われていたこと自体、ブサイクな話ではありますが)。
双子座のパラドックスは聖衣ごと行方不明の様子。いずれ出てくる伏線なのかもしれません。
貴鬼曰く、聖衣は現在余っている状況とのこと。そしたら、小宇宙を燃やせる昴にどれかくれてやれよ、と思うのですが、何故か昴は機械の聖衣(笑)しか与えられていません。どういうことなのでしょうか。
貴鬼に忍び寄る赤黒い影。相変わらず聖域のセキュリティは甘々です。
聖衣を修復する能力を持つ貴鬼さえ倒せば聖衣は二度と修復されず、聖闘士との戦いが楽になると踏んで貴鬼を倒しに来ました。
ただ、やってきたのは二級パラサイト・ディオネ。
一応倒す相手は黄金聖闘士なのだから、そこは一級の人を派遣して欲しかったところです。
昴とタルヴォスの戦いは、タルヴォスの方に分がありそうです。
(「神殺しの光牙を倒して、俺が神になる!」と『DEATH NOTE』の夜神月みたいな大口を叩いた割りに、三級相手に苦戦する昴。友人が「お前、何しに出てきたんだ」と心ない言葉を投げかけていましたが、全く以てその通りです)
この期に及んで戦うことを逡巡する光牙。アプスとの戦いでは「闇も受け入れて、その中で自分で光り輝くんだ」と言ってましたが、冷静になると「やっぱ俺、破壊が好きで戦ってたのかな…」と悩みが浮上してきた様子。ただ、ここは悩んでいる場合ではないと思います。
不甲斐ない昴を含め、光牙もまとめて吹き飛ばそうとするタルヴォス。ここで辰巳が光牙を庇います。辰巳、カッコイイ! 「聖衣はもうボロボロで使えない」と受け取りを拒否する光牙に、「聖衣がボロボロなのは、お前が全力で戦ってきた証だ!」と全く答えになっていない反論をしていましたが、そんなこと気にならない熱さです!!
一方、貴鬼はディオネの間違いを正します。
傷ついた聖衣は聖闘士の小宇宙によって復活する、とのこと。お師匠のムウ様は「聖衣が死んでいる」ということを言ってましたが、今の聖衣は聖闘士の血がなくても生き返るようです。
(唖然とするディオネ。せっかく予習してきたのにね)
貴鬼の説明とリンクして小宇宙を燃やし始める光牙。
タルヴォスのゲスな発言に、ウジウジ悩んでいたことがアホらしくなったのが吹っ切れたきっかけです。それもどうかと思うところですが…
光牙の小宇宙で天馬座の聖衣が復活します。
…何て言えば良いのでしょうか。
聖衣って元々星座の形をしたオブジェが分解してプロテクターになるわけですから、聖衣石から直接プロテクターになってたのよりは良いと思います。が、何だろうこのモヤモヤは…
貴鬼はディオネに対して必殺技を放ちます。
ムウ様譲りのスターライト・エクスティンクション!
危険を察してディオネはスターライト・エクスティンクションを食らう前に逃げますが、今気づきました。こいつ、二級パラサイトだから胸に「2」って書いてあるんですね!(笑)
新生天馬座の聖衣は、以前と比べて硬質な感じがしますが、ちょっと冥界編の冥衣(サープリス)っぽいというか、少しとげとげしい感じもします。
冒頭に「神殺し」と認めておきながら、「しかし所詮は最下級の青銅聖闘士」とか侮ることを言うからこうなるんです。そもそも、お前も最下級の三級パラサイトのくせに、何を上から目線で言ってるんだ、と。
このペガサス流星拳の打ち終わり、旧作のアニメ版そのままです。
現在、アニマックスで旧作が再放送されていますが、マンガだと見開きバーンで終わりなところを、アニメだと必殺技の動きがついて、何をやっているのか分かりやすくなっていました(お恥ずかしい話、21年ぶりに気づきました)。
(神殺し光牙の実力に唖然とする昴)
こうやってアップで見ると、前期のハトプリタッチのΩに旧作の聖衣の硬質さを上手く取り込んでアレンジしたように見えます。
こちらはパラスの居所。パラスは眠りについたようで、次目覚める時はかなり大きくなっているそうです。
どうもこのタイタンが実質的に糸を引いているようです。
そこにいるのはエデンでは!?
しかもその胸のマークは、タルヴォスと同じく三級パラサイトの証!?
体育座りヒッキーから立ち直ったと思ったら、今度はパラサイト!(しかも三級!)
プリンスエデンの裏切り方は、常に私の想像を超えてきます。