《あらすじ》 第8話 宿命の出会い!衝撃の黄金聖闘士!オリオン座のエデンは必殺技「フォルゴーネ・ルネッサンス」でキッチリ勝ち上がり。
聖闘士ファイトも準決勝を迎え、光牙の対戦相手はエデンに決まる。その戦いの直前、アテナの乗る女神の馬車がパライストラに到着した。沙織の安否を一刻も早く知りたい光牙は、戦いの直前だというのに会いに行ってしまう。だが、その行く手に火星士ラーニョが立ちふさがる。どうにかラーニョを撃退した光牙だったが、現れたアテナは沙織ではなく、見知らぬ少女だった。おどろく光牙の前に学園長が現れ、その目前で山羊座の黄金聖衣をまとう!
(公式サイトより)
聖闘士ファイト、準決勝に残った4名は光牙・エデン・龍峰・ユナの四人に。
その頃、天空を翔る嘘みたいな馬車でアテナと思しき人物(神物?)がパライストラに到着。
それを見上げるエデンが、何となく伏線っぽいです。
そして、
神様なのに靴履かせて貰えないのか、はたまた石田純一を凌駕するファッションセンスのなせる技なのか。神については文字通り人智を越えたモノがあります。
医務室では、龍峰がベッドに横たわる蒼摩の手を握ろうとし、蒼摩に払いのけられる一幕が。
やっぱり龍峰はそっち系だったようです。この受け野郎!
…と思ったのは私だけではないはず。
嘘馬車を目撃し、居ても立っても居られなくなった光牙は、ユナの手を振りほどいてアテナのもとに。
そしてアテナのいる建物に侵入。
扉の向こう側まで接近したところ…
聖域でマルスに襲われたときもそうでしたが、相変わらずセキュリティがザル過ぎます。
扉を開けようとしたとき、北斗の拳のカサンドラに出てきたガチムチ兄弟・ライガ・フウガみたいな糸に絡め取られた光牙。
何とそこには火星士(マーシアン)が!
何故敵がここまでわかりやすく入り込んでいるのでしょうか。もうセキュリティの脆弱性を議論するレベルではありません。セキュリティという概念それ自体を持ち合わせているのかどうか、認識論・存在論で議論すべき領域です。
合計3人のマーシアンは3人揃って「スパイダーのラーシャ」とのこと。OPクレジットで「ラーシャA」「ラーシャB」「ラーシャC」と紹介されていたのが、何とも哀愁を誘います。
さて、このラーシャ3人衆、光牙に向かってこう言います。
「アテナに危害を加える気か!?」
「アテナに近づく者は死あるのみ!」
光牙以上に釈然としないものを感じてしまったのは、多分我々視聴者ではないでしょうか。
アテナの敵であるこいつらの口から、まさかこんな台詞を聞かされようとは。
扉の向こう(しかも隙間開いてる)で派手に暴れても全く気づかれずに、火星士3人と絶叫バトルを繰り広げる光牙。気づかない連中も連中です。
それにしてもスパイダーのラーシャ×3の「闇の糸」は弱すぎです。小宇宙を吸い取れるならガンガン吸い取ればいいのに、イヤボーン一発で切られてしまっています。
青二才の蒼摩と互角だったペガサス閃光拳。それを一発ずつ食らうだけでキレイに伸されちゃうラーシャ×3を見ていると、改めてこの世界の強さの相関関係がわからなくなってきました。
用心棒(?)の火星士×3を倒してアテナのいる部屋に入った光牙は、そこでエウレカみたいな女の子に出会います。
光牙君は「アテナじゃない!」と、まるで「お前、平田だろ!」とストロング・マシーンに言い放った藤波辰爾のように空気の読めない追及をしていましたが、
この髪の色と瞳の雰囲気、そして思わせぶりなエデンの視線を総合すると、コイツ、エデンの妹じゃね?
どうやら
そこに
やっぱりお前、裏があったのか!
学園長は、山羊座(カプリコーン)の黄金聖闘士・イオニアだそうで、更に「全知全能、全てを知り尽くしている」と自称しています。
何となく「そうちゃうかなぁ~」と思っていたのであまり驚きはなかったのですが、それにしても旧作から黄金聖闘士にやたら裏切り者がいる聖闘士業界の体質は何とかならんもんなんでしょうか。
その頃、パライストラのみんなは、聖闘士ファイト・準決勝第1試合にうつつを抜かしています。
アテナのいるとされる背後の建物で、強大などす黒い小宇宙が湧いてるのを感じもせずに、です。
何となく不吉な予感レベルでしか異変を感知しない奴らですが、檄先生は「無駄話はするな! 今は小宇宙を高めるときだ!」と注意。それに納得し「そのときだ!」と明るく叫んじゃう龍峰…お前ら、うしろ!うしろ!
世界中探したって、現在進行形で守るべき要人のもとに侵入者が現れているのに、それを察知することもなく練習試合にうつつを抜かすボディーガードなんていません。
そのことと比較したら、少女の首にモヤついている闇の小宇宙もろくに取り除けないへっぽこであっても、そのことについて「何とも未熟な小宇宙よ」と真っ当な指摘を学園長から受けても、それに対する返しで「小宇宙なら負けねぇ!」とザキヤマさんのような返しをしていても、物語の核心で戦ってるだけ光牙はまだ偉いと言えるでしょう。
イオニア学園長曰く、一度聖闘士を引退していたそうですが、パライストラ設立に際し、山羊座の黄金聖闘士待遇でアテナが再び招聘したとのこと。で、学園長は聖闘士を集めて、それを火星士としてせっせとマルスのもとに送っていたそうです。
改めて、アテナには人を見る目が絶望的にないことが確認されました。とんでもない獅子身中の虫です。これはもう旧作からの伝統ですが、聖闘士業界の裏切り者率の高さは異常です。
しかし、やっとわかりました。
パライストラに在籍する青銅聖闘士の数が明らかに聖衣の数を超えていました。が、それは学園長が火星士要員として聖闘士を横流ししていたからです。まるで戦後、進駐軍の闇物資を横流ししていたみたいな話ですが、それならパライストラで育成する人間がやたら多いのも納得…できるわけありません。
これから火星士が何人出てくるのか知りませんが、明らかに供給過剰な数の聖闘士を養成しておいて、数十人単位で行方知れずになってたら、さすがに問題になるはずです。ま、星矢達ももとは100人いましたが、聖闘士になる修行の最中で90人が生死不明になっており、さしてその事実について頓着されていませんから、パライストラに預けた聖闘士達がどうなろうと聖闘士業界ではあまり気にしていないのかもしれません。酷い話ではありますが。
光牙がイオニア学園長に「お前はマルスの手下か!?」と問うのに対し、「手下ではない、崇拝者だ」とこれまたよく分からない返しをしていましたが…もういいですorz
イオニア学園長は、ドミネーション・ラングイッジという必殺技名を叫ぶと、分厚い革張りの本を手にし、言葉で光牙の行動を支配し始めます。先ほどの全知全能発言はここへ繋がるようです。
ただ、この本の表紙のデザインが、上半分が山羊で下半分が剣のエンブレム。「あ、エクスカリバーだ!」とちょっと嬉しくなりました。
それにしても、本を使って攻撃するのって、イオニア学園長の他にはFF3の学者と『ベルセルク』のモズグス様くらいです。
(ちょうど両方を合わせた絵があったので貼らせていただきました)
「自分で自分を殴れ」という命令で横っ面を自分で殴った光牙。
顔面を殴られたときに瞳が濁る演出は、旧作の星矢を彷彿とさせる演出でちょっと胸が高鳴りました。
ただ、直後に「ねじ曲がる」と命令されて、『ジョジョの奇妙な冒険』の第2部に出てきた柱の男・サンタナが排水溝から出てくるみたいなネジりん棒にされてたのを見たら、すぐ冷めました。
「もののけ姫」の祟り神を彷彿とさせる、マルスの邪悪な小宇宙。
それにパライストラが覆われて初めて異変に気づくパライストラの連中。
いや、もうどうしようもねぇなぁ…orz
光牙はパライストラの聖堂の地下にある「聖闘士の牢獄」に閉じ込められます。そんな恐ろしげなものを秘密裏に作れるのでしょうか。施工段階で気づきそうなもんですが…
そしてそこには、狼座(ウルフ)の栄斗(はると)が!
パライストラを辞めたと噂されてた栄人は、実は地下牢に幽閉されていました。
アテナの件と言い、聖闘士共は情報戦にボロ負けしすぎす。
…と、文句ばっか言ってきましたが、話が動き出して俄然面白くなってきました。旧作の銀河戦争(ギャラクシアン・ウォーズ)も中断してましたし、聖闘士ファイトが中断したのも伝統なのかもしれません。
いよいよ火星士との戦いが始まる次回に期待です!