今回は2011年10月分のまとめです。
採点基準 (かなり主観が入ってますので、一応の目安としてご理解下さい)
・1~5点…紹介しません。読んで欲しいものだけご紹介したいので。
・6点…「?」もあるけど一読の価値あり
・7点…面白かった!
・8点…オススメ!!
・9点…超オススメ!!!
・10点…ホームラン級の突き抜けた面白さ!!!
■2011年10月分
90
☆10
高橋秀実『素晴らしきラジオ体操』
第一章「ラジオ体操人」から爆笑!知ってるようで知らなかったラジオ体操業界の実情に愕然。戦中戦後の激動の時代を翻弄されるラジオ体操。一番笑ったのがあの原爆ですらラジオ体操のお陰で死なずに済んだという話!
2011-10-01 10:31
91
☆9
高橋秀実『おすもうさん』
相撲道というと日本の国技にして伝統…というイメージが完全に崩れ去りました。何という「ゆるふん」体質! ゆるいにも程があります(笑)。そら外国人力士に跋扈されるのもわかるわ…と変な納得さえしてしまいます
2011-10-03 02:29
92
☆9
高橋秀実『ご先祖様はどちら様』
先祖、家系図をテーマにしたルポ。読んでて家系図の概念が音を立てて崩れ去りました。家系図って自由に接ぐものなんですね…(笑)。爆笑したのは「ケンチョウの○○」さんという下り。クレーマー気質があだ名って!
2011-10-03 23:56
93
☆10
「キサラギ」
アイドル如月ミキはなぜ死んだのか?BBSに集っていたファン5人だけの追悼会はいつしか真相解明の場に…。伏線の回収が見事の一言!極上のサスペンス・コメディ。ブレイク前の小栗旬や香川照之が良い芝居してます。
2011-10-04 19:13
94
☆10
みうらじゅん『正しい保健体育』
誰も言わなかった本音(? 絶対違うだろw)の保健体育の本。みうらじゅんの本の中で一番売れたそうです。最初の頁の図1「煩悩と戦う戦士」でもう爆笑!「本当は正しい人」「獣の群れ」の写真は是非実物で確認を!
2011-10-05 08:56
95
☆8
石井あゆみ『信長協奏曲』(1巻)
高校生サブローが戦国時代にタイムスリップし信長として生きていく。『ジャイ・キリ』の達海猛みたいな飄々として奇抜なキャラが主人公の『戦国自衛隊』と『龍狼伝』を二で割った感じの新釈信長伝。平手政秀の死まで
2011-10-07 01:38
96
☆8
石井あゆみ『信長協奏曲』(2巻)
斎藤道三との会見は「なるほど!」と上手い描き方。だけど何だろう…読後感が工藤かずや・池上遼一『信長』に似てるんだよなぁ。何となく味気ない。面白いのは十分分かるんだけど個人的には相性が今イチって感じです
2011-10-07 23:34
97
☆8
石井あゆみ『信長協奏曲』(3巻)
徳川家康のキャラ付けや明智光秀の設定、「瀬戸物」誕生のエピソードなど歴史的事実の調理の仕方は面白い。それだけに桶狭間や墨俣など最近では異説が出ている所を通説に従って描いてるのがちょっと食い足りないかな
2011-10-08 08:12
98
☆8
石井あゆみ『信長協奏曲』(4巻)
この巻は割と普通に進行。僕がこの作品を今イチ素直に楽しめないのは、藤本正行『信長の戦争』や鈴木眞哉さんの著作、『センゴク』『へうげもの』など「通史はこうだけど実は違うねん」が好きだからだと気づきました
2011-10-09 08:20
99
☆8
石井あゆみ『信長協奏曲』(5巻)
松永弾正との会見、金ヶ崎の退き戦が本巻のエピソード。松永のキャラには意表を突かれました。秀吉のキャラ設定が微妙に感じてしまうのはNHK大河「功名が辻」と『へうげもの』で既に腹黒秀吉を見ちゃってるからか
2011-10-10 22:54
100
☆7
荘司雅彦『事実認定の手法に学ぶ 荘司雅彦の法的仮説力養成講座』
法律家が人を説得するために使うストーリーの手法。それだけ聞くと、昨今の大阪地検の事件を思い出すが、大事なのは客観的な事実と証拠に基づいてそれを構築すること。ブッダも言ってたけど正しくモノを見るって大切
2011-10-11 07:51
101
☆7
清水義範『身もフタもない日本文学史』
第一章・短歌のやりとりはメールである、からざっくばらんに語っている。著者の博識に支えられた身もフタもなさなのだが個人的には2ch語訳の徒然草の方が衝撃的だったなぁhttp://goo.gl/CgDmC
2011-10-12 09:10
102
☆10
司馬遼太郎『王城の護衛者』
亡父が司馬遼太郎にハマるきっかけとなった短編集。歴史に翻弄され誰にも理解されない忠義や正義を抱えたまま悪役とされる悲劇が切ない。初期の短編は歴史上の人物のエッセンスや魅力が凝縮されてキャラが立ってます
2011-10-13 09:41
103
☆9
さくら剛『三国志男』
三国志フリークな著者が三国志にまつわる遺跡を巡り、その残念・トホホな旧跡の数々を赤裸々に綴った本。引きこもりの人が一念発起するととんでもないことをやらかした!といったら失礼かもだけど(笑)爆笑必至です
2011-10-14 11:50
104
☆8
柳沢きみお『THE大市民』(2巻)
美味い飯とこだわりと説教を堪能するならこれ!(笑) 説教の内容よりも、自分の生き方に美学やポリシー・価値基準をしっかり持ってるところに惹かれます。この巻で一番好きなのは、高校生に授業(説教)する場面!
2011-10-15 09:54
105
☆8
池波正太郎『男の作法』
大人の男の粋な振る舞いを教えてくれる本。83頁で「食欲がなく食べたくなければ、一切手を付けずにそのまま下げてもらう。誰が食べたって良いわけだから」って、船場吉兆は池波イズムを体現してたんですね!(笑)
2011-10-16 09:15
106
☆10
山田芳裕『へうげもの』(1巻)
戦国時代の数奇者・古田織部を主人公に、物欲と業をキーワードに展開される異色の戦国マンガ。第一話が松永久秀爆死のエピソードなんですが、そこで松永が語ることって、実は古織の最期を予言したものなんですよね…
2011-10-18 00:13
107
☆10
「トゥルー・コーリング」(SEASONSコンパクト・ボックス)
全話入りでこの値段は驚き!死体に呼ばれることで一日前に戻り、その死を回避するという一話完結モノ。脚本が練られていて見応え十分。未完なのが残念。11話・終わらない日はタイムリープモノでは屈指の出来映え!
2011-10-18 23:53
108
☆10
高島俊男『三国志 きらめく群像』
中国文学者の著者が正史に基づき三国志を語り尽くす。正史の知識だけでなく、古代中国の文化や各種史料についての知識まで得られる欲張りな一冊なのに、文体は軽やかで読みやすい。演義系を一渡りした「次」の一冊!
2011-10-19 22:16
109
☆10
村西とおる『村西とおるの閻魔帳』
身も蓋もない暴露、容赦ない指弾、あられもない下ネタ、それらが著者独特の言葉遣いとレトリックを駆使して語られています。まさに「声に出して読みたい…けど読めない日本語」(笑)。これ、出版して大丈夫なの!?
2011-10-20 22:36
110
☆9
内田康夫『後鳥羽伝説殺人事件』
親父が好きな作品でした。昔天皇がここの水を飲んで美味いと言ったから村の名前が水呑村になった、と父が子供の頃祖母から聞いたそうです。与太だろうと思って何十年も経ってから本作に出会って衝撃を受けたそうです
2011-10-21 10:50
111
☆8
福本伸行・近代麻雀編集部『アカギ 入門の闘牌』
中身としては普通の麻雀入門です。読みやすいしわかりやすいです。が、心配なのが読者層。だって『アカギ』自体、麻雀を知ってる人しか読まないだろうし、知らない人には訴求しにくいでしょ。…どこターゲットよ?w
2011-10-22 11:17
112
☆9
山里亮太『天才になりたい』
「南キャンの山里」になるまでの自伝。読んでると某芸人の「昔、宮川大助は花子が漫才でミスすると舞台降りたらどついてた。あれ見たら漫才笑えんようなるで」といってたセリフを思い出す。ちょ、赤裸々過ぎでしょw
2011-10-23 10:27
113
☆8
荘司雅彦『反対尋問の手法に学ぶ 嘘を見破る質問力』
著者の弁護士経験に裏打ちされたノウハウがわかりやすくまとまっている。その分、ちょっと食い足りなさもあるか。「人間は自分で思っている以上に本当のことを覚えていない」けど「嘘をつくのは苦手」というのは至言
2011-10-24 08:56
114
☆9
江頭2:50『江頭2:50のエィガ批評宣言』
ネット番組「江頭2:50のピーピーピーするぞ」の人気コーナー「エィガ一刀両断!」をまとめた本。エガちゃんの映画を見る目は確かです。エガちゃんををただのキワモノ芸人と思っている人にこそ読んで欲しい一冊!
2011-10-25 21:00
115
☆10
小栗左多里/トニー・ラズロ『ダーリンの頭ン中』
ことばに関するちょっとアカデミックなトリビアがてんこ盛り。本編より好きです。外国人の視点から、外国語と比較することで気付く日本語の意外な一面。それにしてもトニー、マニアックすぎ!w だが、それがいい!
2011-10-26 14:03
116
☆9
蛇蔵・海野凪子『日本人の知らない日本語』
日本語学校で一癖も二癖もある外国人生徒たちから寄せられるマニアックな質問の数々。「そんなもん知るか!」な質問を調べていくうちに、知らなかった日本語のルーツに関するトリビアがザックザク! へぇ~の嵐です
2011-10-27 16:04
117
☆9
蛇蔵・海野凪子『日本人の知らない日本語2』
相変わらず外国人生徒からのマニアックな日本語の疑問と、僕らも知らなかった知識が満載。でも、個性豊かな生徒さんたちの日本での暮らしも負けず劣らず面白い!日本のことが好きな様子は、読んでて嬉しくなります!
2011-10-28 09:48
118
☆6
唯一神又吉光雄イエスキリスト『再臨のキリスト、唯一神又吉イエスは日本・世界をどうするか、どのようにするか』
冒頭は政見放送で言ってる内容そのまま!(笑)基本的に同じようなことの繰り返しですが、最後の方になるとネタ切れしたのか生活指導の先生みたいなダメ出しが散発(笑) 読まないと地獄の業火に投げ込まれますよ!
2011-10-29 10:21
119
☆7
谷岡一郎『はじめての刑法入門』
刑法入門というよりも刑事法入門。刑法・刑訴法・刑事政策を織り交ぜ、刑事法全体がわかりやすく説明されている。知識ゼロでもさらっと読めるので最初の一冊としてもオススメ。88頁の表中「上訴」は「上告」の誤り
2011-10-30 09:37
120
☆9
会田雄次『アーロン収容所』
捕虜収容所体験を通して著者が目の当たりにした、西欧人の日本人(東洋人)に対する差別を通り越したような意識・価値観に愕然。68頁以下は小林よしのり『戦争論』でも取り上げられてるけど、温度差ありすぎ(笑)
2011-10-31 10:33