2013年8月5日月曜日

[紹介] 高橋秀実『結論はまた来週』

短編コラムの長さは少し短すぎて合ってないのかも?と思わされた。一部説教っぽかったり「下からの上から目線」っぽくなってたりもしたけど、それでも常識的な価値観を打ち砕きトホホな結論に導くところは楽しめた!(crossreview

 フリーペーパー「R25」誌に連載されていたコラムの集成。

 面白いと言えば面白いんだけど、原則見開き2頁の分量は、著者には少し短すぎるように感じました。
 字数制限が厳しい分、コンパクトにまとめなければならないのはわかるんですが、それは「ああでもない、こうでもない」と取材を深めれば深めるほど思考のドツボにハマるトホホ感という著者の味を減殺してしまうことになっていて、それがちょっと残念。
 一部のコラムは紋切り型というか、ちょっと教条主義的な説教になっていたりして著者らしくないなぁ、あるいは結論を急がされてる? と感じました。この点については、「若者に向けたメッセージを」みたいなオーダーをした編集部にも問題ありだと思います。

 だけど、それでも全体的には十分楽しめました。肩肘張って正論を大上段に主張する「ご説ごもっとも」型のコラムと違って、読み手の常識的な価値観をひっくり返してくれる筋運びが随所に見られ、脱力系の結論に「え? そこ!?」と半ば唖然とさせられながら笑わされました。が、この半ば唖然とするその「ポカーン」感こそが、既に著者の脱力系な結論・主張に巻き込まれていることの証左なわけで、それって説得されてるってことなんですよね。そういう意味では著者らしい文章はしっかり堪能できたように思います。冒頭ゴチャゴチャ書きましたが、上記は「ヒデミネファンの細かい好み」とご理解下さい。
 コラムの中には、著者の本をフォローしていると「ああ、あれの話か」というネタがちょくちょく出てきます。そういうコラムは著者の本のダイジェストになっているので、興味が湧いたら著者の単行本を探してみるのもいいと思います。

 コラムってまとめて読むものではないように思うので、本書は枕元かトイレに置いておき、毎日少しずつ読み進めるのがオススメの読み方です。