20代の頃はとにかく本にお金を使いまくってました。
普通に好きで読んでる本やマンガに加え、お仕事の関係で一冊うん千円する専門書もしこたま買い込んだり…知的メソッド系の本で「自分への投資は惜しむな!」「本は買って読め!」を免罪符に、やたら読みもしない本を書いためてました。
しかし、三十路の坂を越える頃になるとさすがに浪費が過ぎるという自覚も沸いてきましたし、むしろ読みもしない本をため込んでることがみっともなくなってきました(本を買うだけじゃ賢くならない。むしろバカのやることだ、としみじみ思う出来事があったりもしました)。
で、数年前「もう読まない本」は既読・未読関係なく売るようにしました。さすがに全く読まなかった本が段ボール2箱くらいに達し出すと「俺はこうやって出版業界に貢献してたんだなぁ…」と乾いた自嘲が出たりもしましたが、広くなった部屋を見て「俺の決断は間違ってなかった」と思い直しました。
まさか床に励まされる日が来るとは…orz
似たような悩みは本好きのみなさまもお持ちなのではないでしょうか?
僕自身、いざ「島流し」の段ボールに本を詰める段になると悩みまくりました。
そういうときにオススメなのが、「アルバム判定法」です。
やりかたは簡単です。
(準備)
1.手放そうか悩んでいる本を机に積み上げる。
2.自分の足下に「契約更改」「自由契約」という二つの段ボールを置く。
3.机の真ん中にスマートノートを広げる。
4.必要に応じてキッチンタイマーも用意。
(手順)
5.積み上げられた本から、一冊ずつパラパラッと中身を見て、印象に残ったことなどを書き出す。
このとき、見開き一頁以内に収まったものについては問答無用で手放せるはずです。
目次だけ、あるいは数頁だけ必要だなと思ったら、その頁に付箋でも貼ってコピーを取ったあと売っちゃいましょう。その際、奥付も一緒にコピーしておくと後で何かと便利です。
見開き二頁に収まらない、付箋を10カ所以上貼りまくり(=主観的資料的価値が高い)ものは契約更改ボックスへ。
他にも判断ファクターは若干ありますが、自分を機械か土管みたいに思って右から左に受け流すのがコツのようです(引っかかる本は向こうから自分に声かけてきますから)。
6.どうもじっくり読んでしまいそうになる人は、キッチンタイマーで5分を計りましょう。時間のプレッシャーがあるだけで読み方自体が変わります。
要するに、ノートに思い出をアルバムのように残しておくかどうかでその本の価値を量るわけです。
使えそうだと思ったら一度お試し下さい。
これは主に「負債を減らす」発想ですが、もう一つ、入ってくるのを減らす方法として町の図書館を利用するようになりました。
僕の住んでいる市は市内14カ所の蔵書を全てネットで検索でき、ネットで予約も出来ます。新刊書はさすがに無理ですが、少し経った本(特にAmazonのマーケットプレイスでついポチりたくなるような本)であれば、7~8割方蔵書にあり、借り出すことができます。
そして読んで「もう一回読み直したい」「手元に置いときたい」と思った本だけを買うようにしてます。
町の図書館を利用するようになったのは、元々はパオロ・マッツァリーノさんの本で「調べ物をするときは町の図書館に行くのが良い」というのを読んでのことなんですが、町の図書館を利用するようになって気づいた「図書館利用の副次的効果」があります。
それは「積ん読が減る」ということです。
当たり前ですが、図書館の本には返却期限があります。そうすると当然それまでに読んで返さなきゃならなくなります。この時間的プレシャーが前述のキッチンタイマーと同じで、「とりあえず目を通す」ことへのモチベーションを生みます。
また、返すことが前提ですから、付箋を貼ったりノートに内容をメモしたりするようにもなります(僕の場合は読む時は付箋だけ貼っておいて、後からその部分だけを書き出すか改めて買った本に貼り直すかしてます。この辺は個々人の読書スタイルもありますからお好みで)。
結果的には買って積ん読にしていた頃よりも本をしっかり読むことが増えました。
別に目新しい話は一つもないわけですが、こんなことをしながらふと、
「俺、蔵書をクラウド化してるよなー」
とか思って一人ニンマリするのが最近の休みの過ごし方になってます。