《あらすじ》 第62話 玄武の死闘!聖剣対天秤の剣!ハイペリオンから聖剣・天地崩滅斬を借り受けたエーギルの攻撃力は凄まじく、黄金聖闘士・天秤座の玄武ですら一撃で吹き飛ばされます。
パライストラに侵攻してきたエーギルを撃退した玄武。しかし、エーギルはハイぺリオンから聖剣『天地崩滅斬』を授かり、ふたたび玄武に戦いを挑んできた。圧倒的な小宇宙を秘めたその破壊力の前に、玄武は一撃で吹き飛ばされてしまう。さらにエーギルは、天地崩滅斬の威力を見せつけるべく、パライストラにいる人々の時間を切り裂いた。人々の時間を取り戻すため、玄武はついに天秤座のソードを引き抜き、エーギルに戦いを挑む!
(公式サイトより)
玄武が倒れたのですかさず青銅聖闘士たちが飛び出します。
が、「誰が出て良いと言った? 邪魔だ!」と、起き上がった玄武はなおもでかい口を叩き続けます。
ただ、調子に乗りすぎて「貴様が渡るのは三途の川だ」とでかい口を叩きすぎた玄武。
この無用の挑発に乗ったエーギルは、天地崩滅斬のシンの恐ろしさであるところの「時間を断ち切る(破壊する)」能力、クロノ・ディクトラクションを使います。そして玄武を除くパライストラの人間はことこどく時を止められることに…
どれだけでかい口を叩いて無根拠な強さを言い立てるのが車田マンガの王道とは言え、つくづく、口は災いの門と言わざるを得ません。
「貴様、一体何をした!?」
と憤る玄武。
全開の登場時からずっとでかい口を叩いていた割に、天地崩滅斬の登場以降、想定外のことが起こりすぎ、またそれに一々取り乱しすぎです。
「時を止めたパラサイトを倒せば、止まっていた時間が動く。至極簡単なルールだ」と、エーゲルと戦おうとした瞬間、玄武は小宇宙を感じます。
時を止められた光牙たち青銅聖闘士と昴の目が相次いではじけ、見えるようになります。
瞬きができなくて非常に目が痛そうです。早く玄武がエーゲルを倒さないと光牙たちのドライアイはシャレにならないことになるのは必定でしょう。
余談になりますが、目だけ見える状態の光牙たちを見ていると、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』でアストロンをかけられたダイとポップを思い出します。
v天地崩滅斬と天秤座の剣での戦いとなりますが、それは玄武に不利な戦いとなりました。
エーゲル曰く、「天秤座の剣は天地崩滅斬の威力を受け止められても、玄武の肉体は天地崩滅斬の威力を受け止め切れていない」からだそうです。が、分不相応な武器を使っていればその衝撃に耐えられないという意味ではエーギルも一緒(下手をすると玄武より弱いエーギルの方にダメージが出そう)だと思うのですが…
ピンチに追い詰められた中で、師である童虎や兄弟子・紫龍のことが胸を去来する玄武。
そういえば、紫龍はマルスとの戦いが終わって五体満足に回復したにもかかわらず、アテナを守る戦いに参加しないとはどういう了見なのでしょうか。かつてのレジェンド聖闘士も、今はシベリアをうろついているだけのマザコン野郎や、聖闘士を引退して牧場主におさまっている元アテナの馬にして調教済み聖闘士の誰かさんと同じです。
それはともかく、若き聖闘士たちだけは何としても守る、と玄武は捨て身の覚悟を決めます。
敢えて天地崩滅斬をその身に受けるのですが…
玄武が狙っていたのは、天地崩滅斬の破壊でした。
傷からすると心臓を真っ二つにされているのは確実で、即死していてもおかしくないのですが、そこからの玄武さん、若き聖闘士たちに託す熱い思いをこれでもかとばかりに語った上、天地崩滅斬を破壊する最期の必殺技・廬山昇天覇を放ちます。
が、玄武の命懸けの技も、天地崩滅斬にひびを入れ、止められた時を戻すだけでした。そして、無残に折れた天秤座の剣…
玄武の命と引き替えにしたものはあまりに小さすぎます。というか、無傷の聖剣はあと3本あるわけで、これからどうすんだよ…と聖闘士たちの今後の戦いが無理ゲーに見えてきました。
ハイペリオンから借りた聖剣にひびを入れてしまい、天地崩滅斬を回収されてしまったエーゲルは、怒りに燃える光牙に瞬殺されます。
何気にこれがパラサイト側の初の戦死者なんですよね…聖闘士側、犠牲出しすぎ。
なおも話し続ける玄武。「ゆっくり話をしてやれなくて済まない」と龍峰に詫びる余裕さえ見せます。
しかし、致命傷を負い、王大人がそこまで忍び寄っている玄武。最期に、
「お前達なら達することができるかもしれない…Ωに…」
と思わせぶりな一言を残して息絶えました。
聖域で玄武の死を感じ取ったアテナ。
「玄武、あなたの死は大きな波乱を呼ぶことになるでしょう」
とわかったようなことを言いますが、これって、聖闘士たちの全体集会の場で星矢といちゃこくのを止めたりスルーしたりしつつ全体を統率する風紀委員がいなくなったことを言っているのでしょうか?
玄武の死は衝撃の展開ですし、アテナの言うように聖闘士たちを動かすことになりそうです。
が、やはり前回の登場時から「貴様等は戦い方がなっていない!」「戦い方を教えてやる!」と大言壮語を吐きまくっていた玄武が、よりにもよって情報不足と想定外の強敵に翻弄された挙げ句、聖剣ドーピングの二級パラサイト相手にやられてしまい、その命と引き換えに聖剣にひび入れただけ、ってのは正直どうなのよ? と思ってしまいます。
しかも、以前も言いましたが、聖闘士星矢の世界における戦力の考え方は、物量ではなく「軍人将棋方式」です。雑魚はいくらあったって物の役には立たず、強い駒でどれだけ雑魚を一掃出来るかにかかっています。
「貴様等雑魚がいくら束になってかかってこようと、黄金聖闘士には太刀打ちできん!」
という台詞は、それこそ嫌と言うほど聞かれますが、そういう観点から考えても今回の玄武の死は「戦力的」に痛すぎます。
しかも、以前も言いましたが、聖闘士星矢の世界における戦力の考え方は、物量ではなく「軍人将棋方式」です。雑魚はいくらあったって物の役には立たず、強い駒でどれだけ雑魚を一掃出来るかにかかっています。
「貴様等雑魚がいくら束になってかかってこようと、黄金聖闘士には太刀打ちできん!」
という台詞は、それこそ嫌と言うほど聞かれますが、そういう観点から考えても今回の玄武の死は「戦力的」に痛すぎます。
これまでも行き当たりばったりに戦っていた聖闘士ですが、いい加減組織論や戦略論を必修科目としていくべきでしょう。パライストラの図書館に『孫子』やクラウゼヴィッツの『戦争論』はないのでしょうか? せめて「銀河英雄伝説」のアニメだけでも観てほしいところです。
最後は、玄武の死で動かされた、今何もしてない人たちです。