でもさ、聖闘士の戦い方って、それこそパライストラで真っ先に教えてなきゃならないことなんじゃないのでしょうか?
《あらすじ》 第61話 迫る大軍勢!パライストラ防衛戦!光牙と昴、鋼鉄聖闘士とそのグレートティーチャー蛮&那智等が山を抜けて辿り着いたのは、パライストラでした。
パライストラに着いた光牙たちは、各地で聖闘士たちに救出され、ここへ集まった避難民の多さにおどろく。また避難民だけでなく、蒼摩たち聖闘士の多くもここへ集結していた。そして、ここで指揮を執る玄武に会った光牙たちは、今までの聖衣に頼った戦いを叱責される。厳しい玄武の言葉に反抗的になる光牙。だが、それはパラサイトの動きを警戒したからだった。パラサイトの真の目的、それは聖闘士を一同に集めて抹殺することにあったのだ!
(公式サイトより)
パライストラにはパラサイトに襲われた民間人を引き連れた聖闘士たちが集結していました。まるで三国志で荊州を落ちてゆく劉備一行です。
(先に到着していた龍峰とユナ)
(蒼摩が避難民の前でデリカシーのない発言をし、ユナの不興を買うの図)
「危なくないのか? こんなところをパラサイトに狙われでもしたら…」
と、しごく真っ当な疑問を呈する光牙。そう言えば、劉備軍が曹操軍に襲われたのも、民衆を連れて逃げていたからでした。要塞内に多数の避難民を抱えていると戦いにくいように思われます。
が、そんな疑問をガハハと吹き飛ばしたのが、我らが檄先生でした。那智や蛮にウザがられながら旧交を温める姿は、かつて空の聖域を守っていた姿しか見ていない旧作ファンにはグッとくるものがあります。
檄先生曰く、避難民を連れてきたのは聖闘士であり、パラサイトには普段の十倍の「戦力」が集まっているから大丈夫とのこと。
結局これは避難民を安心させるための方便であることが後でわかるのですが、それ以前にこの戦力計算方式は問題があります。
そもそも、聖闘士星矢の世界における戦力計算は足し算やかけ算といった「数の論理」で考えるべきではありません。どちらかというと、黄金聖闘士一人が前に出れば敵の雑魚が万単位でかかってきても勝負にならないという「軍人将棋方式」で考えるべきなのです。
(この戦力計算方式は後々まで再確認されることになります)
あと、かつてマルスに忠誠を誓って光牙たちと戦った白銀聖闘士たちがしれっと味方面してたのですが、あれはあれでいいのでしょうか…人手不足なのかも知れませんが、あれほど簡単に敵に寝返った奴らを使わなきゃならんというのも切ない話です。
さて、オフレコOKのパライストラの校長室(?)には、黄金聖闘士・天秤座の玄武がいました。
早速、玄武は青銅聖闘士たちに「聖衣を見せろ」と命令します。
聖衣の傷を見ただけで、玄武は青銅聖闘士たちが聖衣の防御力に頼り切った戦いをしていることを喝破します。
(痛い所を突かれ、玄武の説教にヘコむ青銅聖闘士たち)
そんな中、ロックに目覚めたチャラい忍者聖闘士は、いつの間にか玄武の「草」として立派に働いていました。
栄人の尋問により(一体どんなことしたんだろうか…)、パライストラに避難民と聖闘士の「戦力」を集めたのはパラサイトの罠であることがわかります。この策略が玄武に露見した頃、時を同じくして三級パラサイトのテーベ・二級パラサイトのエーギルによるパライストラ総攻撃が始まりました。
各地でわざと聖闘士に避難民を救出させ、パライストラに集結させるという「迂遠な策」(by.一級パラサイト・タイタン)を取ったのは、一級パラサイトのハイペリオンでした。
ハイペリオン曰く、「虫けら共を一匹ずつ潰していては手間がかかる」というのが聖闘士を集結させた狙いのようですが、その割に「後は我が部下エーギルがどこまでやってくれるかだ」と彼我の戦力差を把握していないようなことを言い出します。
敵味方とも、『孫子』くらいは読んだ方がいいんじゃないのでしょうか? 戦略や戦術以前に、戦いの見通しすらろくに立てていないってどういうことなんでしょうか。
テーベに率いられた雑魚パラサイトたちは声を揃えて「パラス!パラス!」と言いながら行進してきます。幼女の名前を唱えながら行進してくるコスプレの大人たち…私の貧困なボキャブラリーでは彼らのことを「変態」としか表現できません。
それを迎え撃とうとする聖闘士の顔ぶれもなかなかに味わい深いものが…。
(中央におわすヒドラ市先輩は言うに及ばず、コンパス座のフック君やカジキ先輩、そして麒麟座か何かの姉ちゃんもいて胸熱です)
(さらには臭いを嗅ぐ変態猟犬座にペルセウス座など、白銀聖闘士の姿も)
しかし、玄武は聖闘士たちが応戦するのを禁じます。
そして自ら戦いのレクチャーを開始。「世界一受けたい授業」のはじまりです。
(一撃で雑魚数列分を吹き飛ばした玄武。いつも思うのですが、とりあえず黄金聖闘士一人が敵の雑魚を片っ端から片付ければよくないですか?)
玄武の胸中に去来するのは、かつて師である老師(童虎)から受けた教えでした。
機嫌の良い玄武さん、大盤振る舞いで若い連中にレクチャーしてくれます(実技付)。
戦いの心得その一 勝敗は小宇宙で決まる
その二 敵を侮るな。どんな攻撃でも必殺の刃と思え
その三 戦いは常に攻防一体。攻撃は迅速かつ確実に
その四 借り物の力に溺れるな
三級のテーベがだらしないので、上官の二級・エーギルが出てきました。
人間の持つテレキネシスを増幅するというガントレットに苦戦するかに見えた玄武でしたが…
ガントレットのパワーを、ガントレットごと吹き飛ばします。
「バ、バカな…黄金聖衣がこれほどまでに頑丈だとは…」
「否ッ! 聖衣のみの力に非ず!機嫌が良すぎるのか玄武先生、ついには敵にまで戦いのレクチャーをはじめました。
いかな黄金聖衣といえど、それに見合った小宇宙が無くば鉄屑同然。
だがっ! 鍛え高めた小宇宙が合わされば、聖衣は無限の力を発揮するっ!
言ったはずだぞ、エーギル。
戦いの心得 その一、勝敗は小宇宙で決まる!」
「ワシに恥をかかせおって…」とご立腹のハイペリオン様。それでも優しいハイペリオン様は、自らの聖剣を貸してくれます。
「さぁ、第二ラウンドだっ!」
ということで、玄武 vs エーギルのついた天地崩滅斬の戦いは次回へ!