もうすぐ始めて4ヶ月ほどになるのですが、本の100字紹介がかなり溜まってきたので、過去の分についてブログの方でまとめて紹介させてもらいます。
採点基準 (かなり主観が入ってますので、一応の目安としてご理解下さい)
・1~5点…紹介しません。読んで欲しいものだけご紹介したいので。
・6点…「?」もあるけど一読の価値あり
・7点…面白かった!
・8点…オススメ!!
・9点…超オススメ!!!
・10点…ホームラン級の突き抜けた面白さ!!!
■2011年7月分
1
☆7
加藤恭子『言葉でたたかう技術』
内容は、「戦後留学苦学生奮闘記+異文化間における価値観・前提の違い(本当の相互理解)の指摘+言葉で戦うことの重要性を訴える」です。最後の、日本式と欧米式の二刀流で情報発信していこうという主張に賛成。
2011-07-05 22:04
2
☆9
香西秀信『論より詭弁』
のっけから議論のルールは弱者の甘えと一刀両断!論理的思考がいかに現実を前提としない空理空論に過ぎないかを、レトリックの観点から徹底的に分析。今まで論理的に正しいと思っていたことが音を立てて崩れます。
2011-07-05 22:15
3
☆10
西研『ニーチェ「ツァラトゥストラ」』
ニーチェの人生と思想の要諦(ニヒリズム・ルサンチマン・永遠回帰)が要領よくまとまっててわかりやすい!プラス思考寄りの解釈かな?「これからすることは何度でも繰り返したいことか?」と考えるようになりました
2011-07-06 18:56
※ 紹介した当時はNHKテレビテキストでしたが、後にNHK「100分de名著」ブックスとして再刊行されました。ほとんど内容は同じなので、ここでは入手しやすさを考慮して後者をご紹介しておきます。
4
☆8
佐久協『孔子「論語」』
番組よりこのテキストの方が面白い!くだけた訳や解説が、人情に厚くて世話焼きな人間くさい孔子像を想起させてくれ、孔子とその言葉に対して親近感が湧いてきます。リーダーの条件については頷くことしきりでした。
2011-07-07 09:40
※ 紹介した当時はNHKテレビテキストでしたが、後にNHK「100分de名著」ブックスとして再刊行されました。ほとんど内容は同じなので、ここでは入手しやすさを考慮して後者をご紹介しておきます。
5
☆9
上田惇生『ドラッカー「マネジメント」』
『マネジメント』エッセンシャル版の更にエッセンスが詰まったダイジェスト。ドラッカーの一生が第一章にまとまっておりドラッカー入門としても費用対効果高すぎ!影響を受けた言葉が多すぎて100字で紹介は無理!
2011-07-08 09:22
※ 紹介した当時はNHKテレビテキストでしたが、後にNHK「100分de名著」ブックスとして再刊行されました。ほとんど内容は同じなので、ここでは入手しやすさを考慮して後者をご紹介しておきます。
6
☆7
齋藤孝『福沢諭吉「学問のすゝめ」』
相変わらずの費用対効果の高さです!「独立自尊で生きよ」「国とわたりあえる人物たれ」というメッセージは、「主体的に生きよ」というニーチェや「一人一人がマネジャーだ」というやドラッカーの主張にも通じます!
2011-07-09 10:27
※ 紹介した当時はNHKテレビテキストでしたが、後にNHK「100分de名著」ブックスとして再刊行されました。ほとんど内容は同じなので、ここでは入手しやすさを考慮して後者をご紹介しておきます。
7
☆8
斉藤光政『偽書「東日流外三郡誌」事件』
津軽地方の農家の天井裏から「発見」された膨大な数の古文書を巡り、最高裁をも巻き込む事件の一部始終をまとめたルポルタージュ。歴史研究も一皮剥けば生身の人間のドロドロが渦巻く世界なんだとビックリしました!
2011-07-10 09:10
8
☆7
岩崎夏海『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』
『もしドラ』って、ドラッカーの『マネジメント』をわかりやすく説明したものと捉えられがちですが、実は『マネジメント』の具体的な使い方の一例を示したモノだったのかも? http://ow.ly/5Ailh
2011-07-11 10:10
9
☆8
中野明『17歳からのドラッカー』
NHKテキストの次に読みやすい入門書は?と聞かれたら絶対コレ!ドラッカーの考え方からドラッカーの言葉の「使い方」までをもわかりやすく解説してくれてます。経営者じゃなく学生に向けて書かれてるのもGood
2011-07-12 09:59
10
☆8
齋藤孝『頭がよくなる図化思考法』
図解のやり方ではなく、考える際に図を使う「図化思考」の本。モノの見方に通じるので、後半では構造主義にも触れているが、これが要点を圧縮してあって面白い!ここからしばらく構造主義に関する本を読み漁りました
2011-07-13 09:56
11
☆8
内田樹『寝ながら学べる構造主義』
内田先生の講義を聞いているような文体。講義録のような読み口で読みやすい!読み進める内に自然と構造主義のあれこれが頭の中に入ってきます。単なる知識の羅列だけではなく随所に内田節も入ってるのがたまらんです
2011-07-14 11:10
12
☆7
小野功生『図解雑学 構造主義』
図解で構造主義の理解が一気に視覚化され、より明快に理解できました。解説文は短くまとまってるけどぶつ切り感はほとんどなし。図解から他の本に行くも良し、他の本で構造主義を知ってからこの本を読むのも良しです
2011-07-15 09:59
13
☆8
筒井康隆『文学部唯野教授』
大学という機構に対するパロディも面白いけど、その中で展開される現代文学理論の授業が面白い!構造主義にハマってたときに読んだのですが、構造主義以外にも現象学など様々なテーマを一望できたので、楽しめました
2011-07-16 10:21
14
☆8
伊藤聡『生きる技術は名作に学べ』
文学作品をテーマに、そこから著者が気づいた事を抽出して語るスタイル。例えばヘッセの『車輪の下』から「人にはそれぞれ、才能が開花するタイミングがある」(p35)など。読了後「元ネタ」も読んでみたくなった
2011-07-17 08:35
15
☆7
内田樹『先生はえらい』
学びの構造・本質について逆説的に書かれた一冊。構造主義などの話も盛り込まれてる。コミュニケーションは達成されない仕掛けがある、学びの本質は一方的な思い込みと誤解に基づく、か…なるほどなんだけど、う~ん
2011-07-18 12:16
16
☆9
みなもと太郎『風雲戦国伝』
『風雲児たち』前史。大谷吉継、鍋島家、黒田家、毛利家、長宗我部家などテーマ別で収録されているので本編よりテンポよく読めました。特に西日本の戦国武将の歴史って個人的に盲点になってたので勉強にもなりました
2011-07-19 12:03
17
☆7
齋藤孝『頭がよくなる思考法』
「現象学」→思い込みを外して、常に新鮮な驚きと発見で心を揺さぶろう! と「弁証法」→否定の否定(=相手の反発を受け、自分のやり方を変える)を経て更なる前進(質的転換・飛躍)を遂げよう!の二つは使えます
2011-07-20 10:03
18
☆7
岩田規久男『福澤諭吉に学ぶ 思考の技術』
『学問のすゝめ』と『文明論之概略』から著者が学んだ論理的思考法を、著者自らの実践例を交えて紹介。福沢のエッセンスは素晴らしいけど、実践例の方が非論理的だったり福沢の教えにも反してたりと今イチなのが残念
2011-07-21 08:50
19
☆7
左巻健男『水はなんにも知らないよ』
『水からの伝言』の何がダメかを懇切丁寧に批判した本。後半は水に関する科学トリビアも満載。疑似科学って主張する方は適当なのに、それを論破する方はトンでもない量の証明責任を負わされてる。何だこの不公平は?
2011-07-22 11:39
20
☆8
齋藤孝『孤独のチカラ』
自身の体験を踏まえ「成長するには、孤独になる時間を作って力をためる事が必要」と主張。この意見には賛成だけど、留保をつけるならこの方法論が効くのは外向的な性格の人限定(内向的な人は普段からやってるから)
2011-07-23 12:28
21
☆7
齋藤孝『上機嫌の作法』
《今は「バカで不機嫌」が増大中です》という主張に爆笑しながらも我が身を振り返って反省。《不機嫌は癖になります…他の人が気を遣ってくれる》というのは、内田樹『下流志向』の「不快という貨幣」に通ずる話かも
2011-07-24 11:29
22
☆9
齋藤孝『大事なことは3つにまとめなさい!』
著者の勉強のノウハウ関係についてはこれ一冊で十分。ビジネス系ではなく知的ノート術を学びたいなら、岡田斗司夫『あなたを天才にするスマートノート』を合わせて読めば、後はブレンドして自分のノート術を作るだけ
2011-07-25 09:17
23
☆10
岡田斗司夫『あなたを天才にするスマートノート』
これ、類書とは比較にならない完成度です。汎用性が高くアレンジや応用(悩み解決など)もしやすいが、類書と違うのは「面白くなる(過程で頭も良くなる)」ことを打ち出し「頭を耕すこと」を念頭に置いている点です
2011-07-26 09:35
24
☆10
梅棹忠夫『知的生産の技術』
情報処理・知的生産の古典にしてバイブル!思想と必要なエッセンスはこれに詰まってます。一部はテクノロジーで解決されましたが、この本の本質部分はいささかも古びていません。やっと時代がウメサオに追いついた!
2011-07-27 09:45
25
☆10
大西泰斗/ポール・マクベイ『ハートで感じる英文法』
NHKの同番組は僕の英語観を根底から変えてくれました!英文法って理解は出来るけど、いつまで経っても「使えるようにならない」とずっと思ってました。が、ネイティブの感覚に基づいた説明でそれが一変しました!
2011-07-28 02:10
26
☆9
大武ユキ『フットボールネーション』(1巻)
高岡英夫の理論を取り入れたサッカー漫画。高岡理論の入門書としてもわかりやすいけど、それ以上にうんちく系サッカー漫画として頭抜けた出来映え!もちろんサッカー漫画としても面白く、この先の展開が気になります
2011-07-29 08:40
27
☆7
高岡英夫・松井浩『サッカー世界一になりたい人だけが読む本』
サッカーW杯2006ドイツ大会の選手を高岡理論で解説。ジダンのヘディングについては激しく納得w 感覚的な説明が多いので予備知識がないと「?」となるかも。漫画『フットボールネーション』での予習がGood
2011-07-30 10:14
28
☆9
関正生『世界一わかりやすい英文法の授業』
大西泰斗先生より受験向き。相互補完的にかなり使える!He has been dead for 5 years.と死者に現在完了を使うのは最後の審判が念頭にあるから?と思ってたけど、同じ事言うてはった!
2011-07-31 10:36