今年最後の更新です。
crossreviewというサイトで、毎日一冊のペースで本を中心としたアイテムを100字で紹介しています。
それに加え、facebookの漫画殿堂というサービスで週1ペースで殿堂入りマンガの紹介もしています。
今回は2011年12月分のまとめです。
採点基準 (かなり主観が入ってますので、一応の目安としてご理解下さい)
・1~5点…紹介しません。読んで欲しいものだけご紹介したいので。
・6点…「?」もあるけど一読の価値あり
・7点…面白かった!
・8点…オススメ!!
・9点…超オススメ!!!
・10点…ホームラン級の突き抜けた面白さ!!!
■2011年12月分
●crossreview
151
☆9
弘兼憲史『加治隆介の議』(1巻)
大物政治家の次男坊・加治隆介が代議士として活躍する物語。1巻は選挙。選挙活動って何なのか、選挙や政治にお金がかかる理由がよくわかる。政治家の悪口を言う前に知って欲しい。愛人が常に絡む弘兼イズムにニヤリ
2011-12-01 08:51
152
☆9
弘兼憲史『加治隆介の議』(2巻)
この巻では加治隆介の父の死にまつわる陰謀がメイン。代議士の妻ってのも政治家だなぁと思わされるエピソードがある一方で、やっぱり愛人大活躍!島やんに通じる「できる男が愛人に尽くされる」構図にシビれます!w
2011-12-02 22:23
153
☆9
弘兼憲史『加治隆介の議』(3巻)
首相辞任に伴う総裁選、政界再編、新党の立ち上げ方、PKOなどこの巻も政治的イシューがぎっしり。だけどやっぱり笑ってしまうのは女性がらみのエピソード。加治の「危うく屹立するところだった」のシーンに爆笑!
2011-12-03 12:07
154
☆9
弘兼憲史『加治隆介の議』(4巻)
PKOカンボジア編終了。政界再編でいきなり官房長官に抜擢された加治。政治改革関連法案成立と浅海首相の死。政治の駆け引きとはいえここまでやるか。新内閣喫緊の課題は北朝鮮情勢。日本の平和ボケを改めて知った
2011-12-04 12:06
155
☆9
弘兼憲史『加治隆介の議』(5巻)
北朝鮮問題と外交の駆け引き、集団的自衛権の問題が複合的に描かれていて色々考えさせられる。渦上総理、好きだったんだけど退陣です。女将との別れは、あれは泣ける話…なのか?(笑)鎌倉の老人の変態ぶりがイイ!
2011-12-05 11:04
156
☆9
弘兼憲史『加治隆介の議』(6巻)
国連での日本の扱いは酷すぎる!仏の核実験問題を通じてサミットとは何かがわかりました。後半は「西山記者事件」。情を通じて情報を得た記者が最後「妻子とは別れました(キリッ」って、それ妻子が可哀想すぎる!笑
2011-12-07 01:15
157
☆9
弘兼憲史『加治隆介の議』(7巻)
APECでの中国の難癖、変わらんなぁ。それが発端でスキャンダル→辞職へ…。浪人中の加治は韓国に行き、そこで映画「シュリ」のようなスパイアクション! 朝焼けの「HATSUSHIBA」の看板が泣ける!(笑
2011-12-07 23:37
158
☆9
弘兼憲史『加治隆介の議』(8巻)
みそぎ選挙で加治の政治信条がつぶさに語られ、心打たれる。渦上は海藤と刺し違え、加治は防衛庁長官に。国防に関する問題がわかりやすい!付録:加治隆介の青春、首蹴ったりたいくらい青春を謳歌してやがる!(笑)
2011-12-08 09:14
159
☆9
弘兼憲史『加治隆介の議』(9巻)
渡米編では遂にリンダとメイクラブですが、体のラインが日本の中年女性そのもの!w北朝鮮のシージャック編では、日本の海防のダメっぷりを改めて痛感。最後は平和憲法、軍隊、国家の慰霊などについて考えさせられた
2011-12-09 09:48
160
☆9
弘兼憲史『加治隆介の議』(10巻)
外務大臣・加治の毅然とした外交姿勢がイイ!ついに加治が総理大臣になるときが。最後の最後まで政治の権謀術数でどんでん返しが色々あったけど、それにしても愛人の言葉で総理になるのを決めるのがいかにも弘兼節!
2011-12-10 13:40
161
☆7
増田剛己『思考・発想にパソコンを使うな』
タイトルよりも穏やかな内容。著者の体験+古今のノート例で手書きとノートの効用を薦める。書き付け用のメモと、まとめて練るノートとの用途の分離と使い分けは僕もやってるが、機動性・思考の練り込み両方でイイ!
2011-12-11 10:58
162
☆7
山田真哉『目のつけどころ』
物事の見方捉え方てのテクニック・パターン集。内容が薄いと思う向きもあるかもしれないが、本からだけだとこれくらいシンプルじゃないと使いこなせない。そういう意味では著者はメソッドというものをよくわかってる
2011-12-12 09:46
163
☆8
小林よしのり『本家ゴーマニズム宣言2』
テーマは色々あれど(もちろん興味深いテーマが多い)、戦場カメラマン・渡部陽一の話が面白い!『わしズム』の頃からいち早く目を付けてたのもよしりんなんだよなー。巻末の対談で熱くAKB48を語ってるのに吃驚
2011-12-13 09:25
164
☆10
「シンペイ」
一風変わったな三目並べ。一件シンプルなんだけど、挟んで相手の駒を飛ばしたり、下の世界との二層構造で進行したりと奥が深く、やってる内にドンドンハマる!http://bit.ly/jJu1Oで体験できます
2011-12-14 22:52
165
☆10
「アルゴ」
数字の書かれたカードを伏せ、お互い相手のカードに書かれた数字を当てるというシンプルなゲーム。…なんだけど「読み」がモノをいうゲームで、気づいたら熱くなってます!大人も子供も関係なく遊べるのがGood!
2011-12-15 22:18
166
☆9
松永和紀『メディア・バイアス』
"科学的"な情報番組にすぐ反応したり、自然=安全とつい思っちゃう人に読んで欲しい一冊。警鐘を鳴らす人や科学の舞台裏は知る必要あり。大事なのはリスクとベネフィットの勘案。100%満足できる答えなんてない
2011-12-16 10:46
167
☆8
香西秀信『論争と「詭弁」』
冒頭から「レトリックを本来住み慣れた邪悪で狡猾な世界に戻す」と香西節炸裂!フロイス・ロレンゾvs日乗の宗教論争をあくまでディベートとして楽しむ信長は、この時代に希有な合理的思考の持ち主。レベルが違う!
2011-12-17 13:49
168
☆8
車田正美『車田正美 人生を語らず』
『聖闘士星矢』の作者が小宇宙(コスモ)全開で送る人生相談と熱きメッセージ!明らかに釣りと分かる相談にも木刀で九分殺しにしてやると咆吼!合間合間に挟まれる写真と詩。あふれ出るナルシズムがたまらんです(笑
2011-12-18 11:45
169
☆9
高島俊男『漢字と日本人』
漢字と日本人との関わり(歴史的経緯)を概観し、日本語という言語の特殊性(例えば明治以降の翻訳語は漢字無しに理解出来ない)が浮き彫りに。そして戦後の国語改革により言語文化が断絶された事実に悲しみを覚える 2011-12-19 09:20
170
☆8
清水幾太郎『論文の書き方』
初見の十代の頃は「即効性」が感じられず物足りなかったが、文章を恒常的に書くようになった今読み返すと、文章を書く色んなヒントが詰まっていることに気づかされた! 日常的に文章を書く人が読むと得るもの多し!
2011-12-20 10:20
171
☆7
立花隆『「知」のソフトウェア』
知の巨人と言われるジャーナリスト・立花隆の知的生産術。十代の頃に読んで真に受けマネしようとして失敗したが、こういう極端な方法論を読むときは、そこに表れている本質を読み取ることが大事ってことに今気づいた
2011-12-21 08:53
172
☆9
鈴木孝夫『ことばと文化』
大学受験現代文の必読文献として読んだが、勿論そんな枠にはおさまらない名著。自分たちがモノを考える素材として使っている言語そのものについて、知っておくべき知識が満載。語学を学ぶ人も是非読んどいた方が良い
2011-12-22 08:48
173
☆7
長尾龍一『憲法問題入門』
法哲学者の書いた憲法議論。論壇の議論とも憲法学での議論とも違った切り口で、既存の両者には見られない視点や歴史的経緯がコンパクトにまとまっている。それだけに、紙幅の関係でエッセンスだけになってるのは残念
2011-12-23 10:43
174
☆7
藤原正彦『国家の品格』
元が講演の起こし(起こし本は新潮新書のお家芸(?)なので、多少の暴論はリップサービスorギャグとして理解すべきか。こういう正面切った雷親父の説教って今時珍しいけど、絶えてしまっていいものではないのも確か
2011-12-24 14:05
175
☆9
内田貴『民法改正』
教養書としても読めるが、民法を学んでいる者こそ必読の一冊!単なる債権法改正の本と思ったら大間違い!歴史的経緯を振り返りながら日本民法の特徴と特殊性を指摘し「一般国民が読んでわかる民法」の重要性を説く。
2011-12-25 22:10
176
☆9
司馬遼太郎『人斬り以蔵』
表題作よりも面白いのは『おお、大砲』。大和六万石の小藩に下賜された六門の大砲。感動した同藩は、260年間暗い蔵の中で後生大事に磨き続けた。その大砲が幕末に使われ…司馬遼太郎渾身のギャグでしょ、これ!w
2011-12-26 09:34
177
☆10
中島らも『中島らものたまらん人々』
十代の頃一番読み返した本かもしれない。お気に入りは、つくだ煮会社の営業部長の絶叫と、「いなり落とし」&「峠の十人仏突き」。カニの身の詰まり具合の見分け方「へじゃ」&「モンタロ」は今でもよく使ってますw
2011-12-27 12:46
178
☆8
升田幸三『勝負』
升田幸三実力制四代名人の随筆…というより放言集か?w 特に印象に残っているのは阪田三吉とのエピソード。阪田の"奇行"として語られていることを升田が納得のいく説明をしている。その辺の交流・回顧が心地よい
2011-12-28 11:14
179
☆8
谷沢永一『「正義の味方」の嘘八百』
谷沢永一が歴史について語る視点が秀逸。五・一五事件や二・二六事件というテロを「青年将校の動機は純粋だ」と国民が擁護したことで軍国主義が後押しされたという評価や『女工哀史』の評価にはなるほどと思わされた
2011-12-29 10:20
180
☆9
井沢元彦『暗鬼』
戦国時代を舞台・モチーフにした短編小説。人質時代に受けた家康の”秘密”と息子信康を巡る表題作「暗鬼」や黒田官兵衛が信長暗殺の暗号文解読に挑む「明智光秀の密書」など、日本史に造詣の深い著者ならではの作品
2011-12-30 11:22
181
☆9
高木彬光『成吉思汗の秘密』(新装版)
源義経=成吉思汗(ジンギスカン)説を扱った著者の代表作にして歴史推理小説の有名作。「黄金の国ジパングのネタ元は中尊寺金色堂」など傍証の積み重ねによる説得がものすごく上手く、中学の頃むさぼるように読んだ
2011-12-31 11:44
●漫画殿堂
おおひなたごう『おやつ』
おおひなたごう先生の僕的最高傑作!パワーホライズン対決など不条理系ギャグも文句なく面白いが、言葉に対するセンスが抜群で、言葉遊び・条理系ギャグも最高!ニセおやつの「エレベーターに閉じ込められる」が好き
みなもと太郎『風雲児たち』
幕末を描くはずが関ヶ原の因縁を描いたために江戸時代全部を描くことに(笑)。毎巻号泣!名君・保科正之、前野良沢・杉田玄白らの解体新書出版プロジェクトX、林子平の無念…彼らの熱い生き様に胸を打たれまくり!
井浦秀夫『弁護士のくず』
あけすけで、身も蓋もないことばかり言ってる弁護士のクズ。でも、クズの物の見方・考え方の魅力って、我々が常識や予断で盲点になってるところをちゃんと検討し、具体的事実を元にゼロベースで組み上げている所です
来年も宜しくお願いします。
それではみなさん、良いお年を!