2020年4月27日月曜日

前世紀の残滓

中島らもの『変!!』という本の中に、以前から探していた記述が見つかった。
中島らも『変!!』(集英社文庫)

中島氏が朝日新聞紙上で連載していた「明るい悩み相談室」に月何百通と届く投書のほぼ7割がオナラネタかそれに類した下ネタであることの指摘に続き、こう書かれている。
ただ、こうしてオナラの話ばかりが飽きもせずにくるのは、考えてみれば仕方のない話なのかもしれない。朝日新聞の読者というのは真面目な人が多いようだ。三代続けて朝日新聞を取っている、ということを誇らしげに書いてくる人が異様に多い。また、職業別に見ると、教職関係者の人からたくさんくる。…
(中島らも『変!!』(双葉社)164頁以下・強調引用者)

荻上チキ『すべての新聞は「偏って」いる』では、「産経を支持するようなネトウヨ層」を揶揄・牽制するような記述が全編にわたって見え隠れするが、ハッキリ言って朝日の読者の方がよほど気持ち悪い。

新聞を購読していることがインテリ層の証だった頃(戦前?)の残滓なのか。
あるいは、戦後のリベラルなインテリ層(教職関係など)にとって一つのブランド的な価値があった(と一部で思われていた)頃の名残なのか。
いずれにせよ、親子三代で特定の新聞を取り続けていることが誇り足りうる、という感覚自体がもう理解不能である。
他紙でそんな読者がいるなんて聞いたことがない。

昔からやたらと権威主義的で、今でも新聞業界のリーダーだと思っている裸の王様。
そんな朝日新聞だから読者もそんなインテリ気取りのアナクロじじばっかりなんだろう。
端から見れば割れ鍋に綴じ蓋であるが、もう10年もすれば自然と淘汰されていく存在だから荻上氏は触れなかったのかな?(すっとぼけ)