2020年3月9日月曜日

援誤射撃

一言一句はハッキリ覚えていないが、昔(前世紀!)、泉ピン子が、

傲慢、ワガママ、泉ピン子!
TV番組のスタッフをイビり倒したり、時には手をあげたりすることも!

といった内容で週刊誌からバッシングを受けていたことがあった。

確かそのとき、上岡龍太郎がこんなコメントをしていたように覚えている。
「出演者に機嫌よくしてもらい、良い番組を作るのが番組スタッフの仕事やないか!
そのために必要なら少々どつかれるくらい我慢せんかい!!」
上岡龍太郎が本当にそんなことを言ったのかも今となっては不明だし、あるいはそれに類することを言ったとしても文脈を切り取られて真意が伝わっていないのかもしれない。
おそらく、安っぽい正義感を振りかざして泉ピン子を叩く週刊誌を批判する文脈で言ったことなのだろうと推測する。そして、そこにはギャグとしての「無茶な理屈」というニュアンスもあったのではないか、とも思う。

ただ、何にせよ世間が受け止める文脈で言えば、上岡のこの言は全く泉ピン子を庇うものになっていない。当時の倫理観で言っても、加害者の開き直りとしか映らなかったはずだ。

が、真偽を措いても、不謹慎と言われようとも、個人的にはこのような「援護のように見えて、その実、守るべき対象を後ろから蜂の巣にしてしまっている」物言いが面白くて仕方ない。
やはり理屈というのは、結論が間違っているものについて捏ねてこそだと思う。



女将さん時代の藤田憲子(花田憲子)のスキャンダルが報じられた際、うちの親父はこんなことを言っていた。
昔から相撲っちゅうのは地方に巡業に行ったりして家を空けることが多かった。
その間、身体が疼いて持て余した女将さんや力士の妻が、部屋にいる若いモンなんかを"若いツバメ"にすることなんか普通にあったし、それは親方や力士の方もわかってたことやねん。
また、男の方も巡業先に愛人がおったりしてやなぁ、そこはお互いの了解事項っちゅうんが決まり相場や。
またそんな、見てきたように… そもそもどこでそれ聞いてきてん? と親父にツッコミたくなったのだが、仮に角界に広くこういう文化があったとして、でもそれを説いたところで世間一般は納得しないだろうなぁ、と思ったのを覚えている。



…なぜ突然こんなことを言い出したかというと、立川志らく師匠の女将さんが弟子と不倫していたという報に接し、昔、親父が言っていたことを何となく思いだしただけです。