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2013年8月26日月曜日

[紹介] さくら剛『三国志男』

三国志フリークな著者が三国志にまつわる遺跡を巡り、その残念・トホホな旧跡の数々を赤裸々に綴った本。引きこもりの人が一念発起するととんでもないことをやらかした!といったら失礼かもだけど(笑)爆笑必至です。(crossreview

 三国志フリークの著者が、1800年前の英雄に思いを馳せ、中国全土に散らばる墓や名所旧跡を訪ね歩きます。その規模たるや、時空を越えた壮大な「墓参り」!沢木耕太郎『深夜特急』の21世紀版…はさすがに言い過ぎですね(笑)。
 やたら煽りましたが、著者の行く先に待ち受けるのは、想像以上のトホホな史跡群。
 地域住民が洗濯物を干す中にひっそりと佇む英雄の墓。地元にとけ込みすぎて発見に一苦労します。
 絶世の美女と謳われた江南の二喬の人形がボロボロで、火事で焼き出された喜屋武ちあきさんみたいだったりします。
 関羽だか司馬懿だかが、冠を落とした場所に碑が建っていて、その数百メートル先に冠を付け直した場所にまた碑が建っていて、筆者が「ど田舎でなかなかバスが来ないんだから、冠は落としたらその場で付け直してくれ!訪ねる方の身にもなってくれよ!」と心の叫びを発することも。

 これでもかとばかりな体当たりネタ満載ですが、やや子供っぽい(中二病的?)な情熱を、どこかで自覚しつつも
「あえて燃える」というのは、「アメトーーク」のプレゼン文法そのものと言えます。というより、2000年頃全盛だったテキストサイトの文法をテレビでやったのが「アメトーーク」と言うべきですね。
 三国志好きは言うまでもなく、三国志にさして興味のない人にもオススメです。こういう濃いネタテキストって減ったよなぁ…