《あらすじ》 第31話 運命の分岐点!双児宮の謎!ハービンジャーのグレイテスト・ホーンによって別の場所に飛ばされたユナ・龍峰・蒼摩・栄斗。そのうち、龍峰は次の双児宮に飛ばされてきました。
ハービンジャーのグレイテストホーンにより光と共に消えた蒼摩たち。おどろく光牙に、ハービンジャーは蒼摩たちが光速の拳によって歪められた時空から何処かへと飛ばされたと言う。そして、龍峰は、金牛宮の次である双児宮へとひとり飛ばされていた。光牙を気にしながらも先に進む龍峰の前に、双児宮を守護する双子座ジェミニの女黄金聖闘士パラドクスが現れる。思わず身構える龍峰だが、何故かパラドクスは戦おうとはしなかった?!
(公式サイトより)
ハービンジャーいわく、「光速の動きを持つ黄金聖闘士は、それにより空間をねじ曲げることができる」とのことでしたが…理系知識サッパリの私が聞いても胡散臭いこと限りないです。ハービンジャーの言ってることは、いわゆるワープ理論っぽいのですが、人為的に空間を枉げるためには、この宇宙中にあるエネルギーの総量よりも大きなエネルギーが必要だとか、「トリビアの泉」で言ってませんでしたっけ? それを可能にするのが小宇宙だったり魔法少女であるまどかの力だと言われれば反論は不可能になりますが…
さて、双児宮で龍峰を出迎えたのは、しゃべるリスでした。
この時点でかなりメルヘン…を通り越してメンヘラな香りがしてきますが、双児宮の中はさらにメンヘラ…もといメルヘンなことに。
左側に生えそろっているキノコ、こんなのスーパーマリオでしかお目にかかれません。
しばらくすると、オウムっぽい鳥が「ジェミニの黄金聖闘士・パラドックス様ご登場!」と飛び回りながら叫び出しました。動物たちをしゃべれるようにする時点でだいぶんアレですが、その動物に自分を賞賛させる辺り、かなりヤバい系であることがテレビのこっち側にもビンビン伝わってきます。
これが双子座・ジェミニのパラドックスです。
「女聖闘士なのに仮面をつけてない! 横に二つついてるから、真ん中は出しても大丈夫って意味か? それともそれはアシュラマンのコスプレか!?」
と視聴者が軽いパニックを起こしそうな瞬間、パラドックスは仮面をつけていない理由を説明してくれました。
「私が仮面をつけていないのは、龍峰、あなたを愛しているからです」
…よりパニックが大きくなったように思います。
とりあえず、パラドックスの言うがままにお茶会に同席する龍峰。
それにしても、『不思議の国のアリス』にでも出てきそうな屋外(?)のティーパーティーと聖衣着用の取り合わせが、ここまで珍妙だとは思いませんでした。
パラドックスは、紫龍にあこがれ、ファンレターまで出していたことを語ります。だから、息子の龍峰を”たとえ「あの女」の子供でも”愛しているとのこと。何やらゾッとする言い回しでしたが、そういうわけで、パラドックスは龍峰に、マルスへの降伏を勧めます。
その上で、パラドックスはマルスの下で、地上の愛を支配したいんだそうです。
愛を司り、愛を支配する…ですか。
とりあえずパラドックスさんには、さだまさしの「恋愛症候群~その発病及び傾向と対策に関する一考察~」を聴いて、愛についてご再考いただきたいところです。
当然、龍峰は戦うことを選択します。
(メンヘラ黄金聖闘士に狙われている紫龍)
(メンヘラ黄金聖闘士に逆恨みされている「あの女」)
龍峰はパラドックスに攻撃を加えますが、アッサリかわされます。
そして、愛情たっぷりの反撃を食らいます。
「ほっぺにチュッ」でギャグ漫画のようにクルクル回りながら飛んでいく龍峰。
色々シュールすぎます…orz
キス一発でここまでにしてしまう、さすが黄金聖闘士と言うべきなんでしょうか。
それとも、見かけによらず、パラドックスの口臭がブルーギルの死骸レベルで臭かったのでしょうか。もしそうなら、テレビというメディアが臭いを伝達できなくて本当に良かったと思います。
技をかわされた上に吹っ飛ばされ、オマケに「あなたを愛しているから」と考えていることまで読まれた龍峰は、読まれているのを前提に、必殺技・廬山昇龍霸を繰り出します。
が、何とここで…
パラドックスが廬山昇龍霸を打ち返したのです!
「愛している人の技だから、あなたよりも何百回も多く練習したわ」というパラドックス。
かつて師匠である水瓶座・アクエリアスのカミュと対決した際、最後に師匠の技であるオーロラ・エクスキューションを打ち返した氷河の例がありますが、紫龍ヲタが紫龍の技を練習して身につけたというのは斬新すぎます。もちろん「聖闘士星矢」の歴史の中でも斬新ですが、それ以上に、好きな対象の必殺技をマスターしたというのはストーカー界でも初の出来事のはずです。
パラドックスは、龍峰を愛している理由と一緒に、自分が双子座の黄金聖闘士になったいきさつを語り始めます。
幼少の頃から予知能力があったパラドックスは、その能力故に両親から気味悪がられていたそうです。
ある日、「今日お出かけしたら、みんな死んじゃうよー!」という予言通り、自動車事故に巻き込まれて両親を亡くします。
そのとき、パラドックスを助けたのが紫龍だったというわけです。
今考えたら「余計な事しやがって…」と言う他ありませんが、そこで、身内が自分を嫌うのに、赤の他人が自分の命を救ってくれたという”パラドックス”の答えを見つけるべく、パラドックスは聖闘士を志したとのこと。
それにしても、魔鈴さんっぽい格好でカシオスっぽい奴と対峙するパラドックス。
このシーンにグッと来た旧作ファンは私だけではないはずです。
愛しの龍峰に馬乗りになって説得を続けるパラドックス。
多分私なら、転び伴天連のようにマルス側に寝返っていることでしょう。
龍峰を説得するため、パラドックスは必殺技であるクロスロード・ミラージュを繰り出します。
人は常に選択肢を選び続けて生きている。
確かにそれはその通りなんですが、ここからがパラドックスのズルいのかガチメンヘラなのかわからない説得の開始です。
まず、このままマルスと戦い続けた方の未来。戦いが長引いたせいで龍峰は父子二代にわたって五感を失う羽目に。
そんな龍峰を抱いて泣き崩れる「あの女」も、程なく倒れます。地上から小宇宙がなくなったため、人間は生きていけないからだそうなのですが…小宇宙ってそういう「大地の気」みたいな風水っぽいもんだったっけ?
遺跡を破壊していた頃から疑問だったのですが、そんな疑問をよそに、パラドックスはもう一つの未来を提示します。
そこは、戦いが速く済んだために、予想よりも多くの人々が救われ、火星への移住を果たした未来がありました。人々は緑地公園のようなところで憩っています。
「この~木 なんの木 気になる木~♪」のような大樹がど真ん中に立っている場所を歩く龍峰親子。パラドックスがマルスにお願いしたお陰で、紫龍の五感は回復したそうです。
何だか和気藹々としてますが、五感が戻ったら、紫龍は即座に戦うことを選ぶと思います。たとえマルスの計画が完全に遂行された新世界であっても。少なくともこんな風に屈託なく笑いながら平和を謳歌しているとは思えません。
…と、やっぱりこの世界には「あの女」はいないんだろうなぁ…orz
ショックを受ける龍峰。何気に説得されちゃってますが、そんな極端な未来しかないわけないじゃん。
私なら、パラドックスを逆に説得して、マルスを倒してから、紫龍・春麗と龍峰・パラドックスでヨロシクやる未来を提案するところです。最悪、その最中にパラドックスがやられてくれてもいいわけで…
龍峰もある程度それに気づいたようで、「これ以外の未来を僕は自分で切り開く!」と言います。
そうそう、この手の誘導に対する反論の典型がコレ。相手方が自分に有利なように極端な選択肢を設定した場合、それ以外の選択肢の可能性を提示することが一番の反撃になります。
その上で、小宇宙を燃やして再び廬山昇龍霸を打つ龍峰。
今度はパラドックスを吹っ飛ばすことに成功します。
が…
急に双児宮の天候が変わり、みるみる髪の色が黒く変わっていくパラドックス。
オオ! サガ以来の二重人格キャラか! と喜んだ刹那…
「私の愛を受け入れぬ者には憎しみを!」
「このゴミ虫があっ!!」
と絶叫しながら龍峰を足蹴にする超サディスティックキャラ・憎しみのパラドックス様に大変身です。これはこれで情緒不安定すぎるでしょ(笑)
一方その頃、巨蟹宮に飛ばされたユナ。
どうも複数の戦いが平行して描かれるようです。
確かに、旧作では一時間近くかけて誰かが戦ってたはずの奴が次の宮ですぐ合流してたりして、時間の流れがよくわからなかったところはあります。
が、個人的にはそれぞれのバトルを寸断されるのはちょっとなぁ、せっかく盛り上がってきたのに寸断され、途中から何となく結末が見えてくる『20世紀少年』みたいにならないか、少し心配です。