2013年9月11日水曜日

[紹介] 大武ユキ『フットボールネーション』(2巻)

高岡英夫の身体理論に基づくサッカーマンガ。この巻では、すぐに高岡理論を実践出来るくらいわかりやすく紹介されています!その上ストーリーからも目が離せない。縦のラインが揃ったこれからの展開が気になります!(crossreview

 本巻では、FWのマリオが登場。そのマリオを獲得するため、当のマリオと戦うのが3×3のストリートサッカー。
 狭いコートでめまぐるしく展開するゲームの中で、鳥海は考えて判断していたのでは間に合わないことを痛感します。「Don't Think, Feel!」(考えるな、感じろ!)はブルース・リーの言葉ですが、サッカーのプレイにおける「Don't Think Feel」の重要性と感覚(の獲得)を、物語の中で上手く表現できていたように思います。

 千尋がプロのサッカー選手として足りないもの、その答えが本巻で示されます。それは「人格・人柄」、「Play for the Team」の精神。ただ、これは監督の口から言葉で読者に提示されただけで、千尋がこのことの重要性を痛感するのはまだ先になりそうです。

 後半は軸の話。
 身体の軸が意識できているかどうかで立ち方や動きが変わるということが説明されるわけですが、その説明にうってつけなのがクラシックバレエ。カメラマンの緒方紫がバレエ経験者という設定がここで使われます。
 体軸を獲得するための方法論も紹介されていますが、これが意外と地味。インナーマッスル(ハムストリングの拮抗筋である大腰筋)は使えているかどうかわかりにくい筋肉なので、気を抜かずに普段から意識して使っても、無意識に使えるようになるまで1年はかかるとのこと。確かに、ボディワークやロルフィングなど、インナーマッスルに働きかけて意識づけするようなアプローチをとらない限り、1年というのは仕方ないように思います。

 そして「強いチームに絶対不可欠なピース」であるGKにロシア人・イワンが加入。能力的にはピカイチですが、全然コーチング(味方への指示出し)をしないという弱点が…。