2012年11月11日日曜日

安定の蟹座は"死霊の盆踊ラー"! (聖闘士星矢Ω 第32話)

 今回は、ユナの表情に楳図かずおテイストが入っててワロタ!

《あらすじ》 第32話 真の恐怖!巨蟹宮に漂う妖気!
第4の宮、巨蟹宮へと飛ばされたユナ。その中へと入ったユナを待ち受けていたのは、この巨蟹宮を守護する蟹座、キャンサーの黄金聖闘士シラーだった。シラーに対して果敢に挑んだユナだったが、苦戦を強いられる。しかも、シャリア(原文ママ)は自らの手を汚すことなく、死者となった聖闘士を操ってユナを襲わせた。何度、倒しても立ち上がる聖闘士達に苦戦するユナ。そして、さらに現れた聖闘士の中にある人物の姿を見つけて、ユナは愕然とする!
公式サイトより)
 巨蟹宮に飛ばされたユナ。
 蟹座と言えば、デスマスク以来の伝統で『聖闘士星矢』では常に不遇を託ってきた星座です。
 さて、双児宮ではジェミニの黄金聖闘士がまさかのメン○ラ女だった「パラドックス・ショック」以降、キャンサーの黄金聖闘士がどんなものか、いやがおうにも黒い期待が膨らみます。
『聖闘士星矢Ω』第32話
『聖闘士星矢Ω』第32話
 見た目はデスマスクよりもしゅっとしてますが…

 一方その頃、骨っ子大好きハービンジャー様は、光牙のスネを折るべくヤクザキックを繰り出していました。
『聖闘士星矢Ω』第32話
『聖闘士星矢Ω』第32話
(このご満悦な表情! こいつ、かなりの外道です)

 いつの間にかお約束になってきた、黄金聖闘士による攻撃でギャグ漫画のように吹っ飛ばされるシーン。ユナもきっちり「ピューン」と飛ばされていました。
『聖闘士星矢Ω』第32話
『聖闘士星矢Ω』第32話

 攻撃する度に、手が汚れたと白いハンカチで手を拭くシラー。
 潔癖症キャラのようですが、バトルアニメでこういうキャラの性格に問題がなかったことがあったでしょうか? 寡聞にして私は知りませんが、この時点でシラーもめんどくさそうなキャラであることがほぼ確定します。
『聖闘士星矢Ω』第32話
 自ら手を下すのはイヤだと、「死人」を使い、死人に戦わせるシラー。
『聖闘士星矢Ω』第32話
『聖闘士星矢Ω』第32話
『聖闘士星矢Ω』第32話
 潔癖なくせに白マントで岩場に座るのはOKなのかよ? とも思いますが、死者を使って戦う奴が黄金聖闘士ってどうなのよ? と正直思わずにはいられません。

 死者を使うだけでも大概の外道なのに、パライストラの同級生だった青銅聖闘士をぶつけてくるシラー。ここまでメンタル攻撃を織り交ぜられると、その外道っぷりにある種のすがすがしささえ感じてしまいます。 
『聖闘士星矢Ω』第32話
『聖闘士星矢Ω』第32話
『聖闘士星矢Ω』第32話
(何やら気持ちの悪い踊りのような身のこなしで死者を操るシラー。
 彼の身のこなしを見ていると、「死霊の盆踊り」を思い出しました)
(※映画一本まるまるYouTubeにアップされていました。一切オススメしませんが、観たい方はどうぞ)
『聖闘士星矢Ω』第32話

 そして、シラーは「死を体験させる」必殺技を繰り出します。
『聖闘士星矢Ω』第32話
『聖闘士星矢Ω』第32話
 映像を見る限り、ババちびるほど怖い思いをさせられるのはわかったのですが…「死を体験させる」技って、意味あるんでしょうか? きっちり殺すから「必殺技」だと思うんですが…

 そんなシラーのナルシストっぷりが遺憾なく発揮され始めます。
 なんと、バベルの塔でパライストラの連中をかしじょうたいの
『聖闘士星矢Ω』第32話
『聖闘士星矢Ω』第32話
『聖闘士星矢Ω』第32話
 美しい「作品」にご満悦のシラー様でしたが、こういうのも入ってたのをご確認いただきたいところです。
『聖闘士星矢Ω』第10話
第10話より)

 同じ聖闘士を、パライストラの仲間を仮死状態にされたことに怒っているのか、檄先生を含めて美しいとか言ってるシラーに怒っているのか、ユナのメンチの切り方はハンパではありません。
『聖闘士星矢Ω』第32話

 一方その頃、ペガサス対タウラスの勝負は佳境を迎えていました。
 フルボッコにされた後、「待てやコラァ!」と小宇宙を燃やして起き上がる、『聖闘士星矢』の王道パターンです。
『聖闘士星矢Ω』第32話
『聖闘士星矢Ω』第32話
『聖闘士星矢Ω』第32話
『聖闘士星矢Ω』第32話
 技を撃ち合った後、勝負がつくかと思った私は、この後の展開を見て愕然としてしまいました。
 光牙は技を放った後、「前に進まなくては…」とまさかの五体満足なハービンジャーをシカト! 図々しくも、そのまま先に進もうとします。
『聖闘士星矢Ω』第32話
『聖闘士星矢Ω』第32話
 そしてそれを「面白い! 面白いぞ!」と喜び、行かせてあげるハービンジャー。
 …意味がわかりません。
 「もっと強くなって戻ってこい! その心を折ってやる」などと栽培漁業の業者のようなことを言うハービンジャー。
 マルス様はメディアとこの様子を見ているはずなんですが、僕がマルス様なら「ワレ、ナメとんか!」とハービンジャーの心を折っているところです。

 さて、操られている仲間とは戦えないユナは、シラーと直接戦うため、シラーを挑発する攻撃を仕掛けます。
『聖闘士星矢Ω』第32話
『聖闘士星矢Ω』第32話
『聖闘士星矢Ω』第32話
『聖闘士星矢Ω』第32話
 それを返り討ちにしたシラーは、お約束の「志望動機」を語り始めます。

 彼は戦災孤児で、生き残るために何でもするようになったとのこと。強さが全て、というデスマスク以来の価値観を獲得したもの戦災孤児という生い立ちによるものだそうですが、そう言えばデスマスクも「戦争で一々女子供を避けて爆撃できるか」などと戦争の比喩が出てきていました。『聖闘士星矢』では、蟹座=戦争・力の信奉者という謎の構図があるのかもしれません。
『聖闘士星矢Ω』第32話
『聖闘士星矢Ω』第32話
『聖闘士星矢Ω』第32話
 そんな戦災孤児出身の彼が手を拭くのは、『あしたのジョー』の金竜飛がモデルなんじゃないか? と友人に指摘を受けたのですが…きっとそうでしょう!(笑)

 同じく戦災孤児出身だけど、考え方が全然違うことに愕然とするユナ。
『聖闘士星矢Ω』第32話
 ユナの場合、良き師(パブリーン師匠)に出会えたことが良かったんでしょうね。

 そしてシラーは、ユナを葬るべく、"あの技"を繰り出してくれます。
『聖闘士星矢Ω』第32話
『聖闘士星矢Ω』第32話
 積尸気冥界波!
『聖闘士星矢Ω』第32話
『聖闘士星矢Ω』第32話
『聖闘士星矢Ω』第32話
『聖闘士星矢Ω』第32話

 ここでちょっとした疑問が。

 いや、ハーデスとの戦いが終わった今は良いと思うんですよ、こういう奴がいても。
 でもですね、旧作では冥王ハーデスとの戦いを想定していたわけですよ、ずっと。
 現在連載が進行中の『聖闘士星矢 冥王神話』も、243年前の聖戦が舞台となっているわけで、ハーデスの肉体に唯一傷を付けたのも、神話の時代に戦ったペガサスの聖闘士だと言っていました。
 こんな風に、常に冥王ハーデスとの戦いに明け暮れてきたアテナとその聖闘士達の、最強を誇る12人の黄金聖闘士の一人に、「敵を冥界に送る」技を必殺技にする奴がいてるというのは、もの凄いハンデなんじゃないんでしょうか? 冥界と現世を行き来できる冥闘士(スペクター)に積尸気冥界波をかけても、すぐ戻ってこれるわけですから。ハーデス軍にとって積尸気冥界波とは、双六で言う「ふりだしに戻る」でしかなく、逆に冥界ではクソの役にも立たない技に成り下がります。

 ハーデスとの戦いが終わった今、こんなことを言うのも何なんですが…