2012年7月13日金曜日

[紹介] 谷岡一郎『はじめての刑法入門』

谷岡一郎『はじめての刑法入門』

刑法入門というよりも刑事法入門。刑法・刑訴法・刑事政策を織り交ぜ、刑事法全体がわかりやすく説明されている。知識ゼロでもさらっと読めるので最初の一冊としてもオススメ。88頁の表中「上訴」は「上告」の誤り。(crossreview

ギャンブル学で有名(?)な犯罪学者・谷岡一郎先生による「刑法入門」。
ただし、内容は刑法だけでなく刑事訴訟法(刑事裁判)や刑事政策・犯罪学など刑事法全体について扱っている。一般にわかりやすくするために「刑法入門」としたものと思われるが、正確には刑事法入門に相当する。

著者の専門である犯罪学のエッセンスがふんだんに盛り込まれており、大学で刑法を学んだ人も十分楽しめる内容となっている。もちろん、刑事法について知りたい人にもオススメ。
加えて、死刑存廃論や性犯罪者の監視の是非、厳罰化など、ニュースや討論番組などでよく取り扱われる問題についても触れられており、その点でも山口厚『刑法入門』(岩波新書)より取っつき安いだろう。


一点だけ、88頁の図で「上訴」となっているのは上告の誤り。
(上訴とは不利な判決等を受けた者が上級裁判所にその取消・変更を求めること。大雑把に言うと「上訴=控訴&上告」となる)