2012年3月29日木曜日

[紹介] 香西秀信『論より詭弁』

香西秀信『論より詭弁』

のっけから議論のルールは弱者の甘えと一刀両断!論理的思考がいかに現実を前提としない空理空論に過ぎないかを、レトリックの観点から徹底的に分析。今まで論理的に正しいと思っていたことが音を立てて崩れます。(crossreview

冒頭から「議論のルールは弱者の甘え」と一刀両断!
論理的思考力や議論の能力など、所詮は弱者の当てにならない護身術である。強者には、そんなものは要らない。いわゆる詭弁のルールなど、弱者の甘え以外の何ものでもない。他人の議論をルール違反だの詭弁だのと言って非難するのは、「後生だから、そんな手を使わんで下され」と弱者が悲鳴を上げているのだ。そして、そのような悲鳴にすぎないものを、偉そうに、勝ち誇って告げるのも、また弱者の特徴である。(9頁)

「後生だから、そんな手を使わんで下され」って、そこまでみっともないセリフのレッテルを貼らなくても…(笑)
この辺の”池に落ちた犬を棒で叩く”ような徹底した貶しぶりがもうたまらないっ!!

そして、論理的思考というものがいかに現実を前提としない空理空論に過ぎないかを、レトリックの観点から徹底的に分析していきます。今まで論理的に正しいと思っていたことが音を立てて崩れ、論理的思考の弱点を思い知らされました。

論理的思考本が好きでつい買いあさっちゃう人にこそオススメの一冊!