2012年2月29日水曜日

100字紹介・2012年2月分

crossreviewというサイトで、毎日一冊のペースで本を中心としたアイテムを100字で紹介しています。
今回は2012年2月分のまとめです。

採点基準 (かなり主観が入ってますので、一応の目安としてご理解下さい)

・1~5点…紹介しません。読んで欲しいものだけご紹介したいので。

・6点…「?」もあるけど一読の価値あり
・7点…面白かった!
・8点…オススメ!!
・9点…超オススメ!!!
・10点…ホームラン級の突き抜けた面白さ!!!
213
兵頭二十八『[新訳]孫子―ポスト冷戦時代を勝ち抜く13篇の古典兵法』☆9
兵頭二十八『[新訳]孫子』
新訳+解説という構成で読みやすく、一冊目としてオススメ。だけど軍学者である著者の解説は入門レベルにとどまらない。孫子のエッセンスを味わいながら現代の軍隊・戦争についても知見が深まる。既読者にもオススメ
2012-02-01 10:09


214
中野明『論理的に思考する技術』☆8
中野明『論理的に思考する技術』
アウトライナー(アウトラインプロセッサ)を使って、一人ブレストとその階層整理を繰り返しながら構造的に文章を作っていく技法を説明した本。文章は頭からガーッと書くだけで構成を考えるのが苦手って人にオススメ
2012-02-02 09:03


215
鯨統一郎『なみだ特捜班におまかせ!』☆7
鯨統一郎『なみだ特捜班におまかせ!』
おとぼけサイコセラピスト探偵・波田煌子が、今度は迷宮入り事件を担当する特捜班のプロファイラーに。前作に比べるとプロファイルと精神分析・心理学の知見のリンクが若干浅いかな。前作から続けて読むのがオススメ
2012-02-03 11:32


216
鯨統一郎『なみだ学習塾をよろしく!』☆7
鯨統一郎『なみだ学習塾をよろしく!』
サイコセラピスト探偵・波田煌子シリーズ第三弾。今度は学習塾の事務員。塾長や講師を差し置き、中学生の様々なトラブルを解決していく。今回は煌子よりも先に真相が見えることがちらほら。今回、煌子は泣きません!
2012-02-04 10:42


217
青木高夫『ずるい!? なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか』☆8
青木高夫『ずるい!? なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか』
日本が好成績だと途端にルール改正され勝てなくなる、というのが誤解だと具体的に検証されている。日本人は欧米人と違いルールを作るという意識が希薄。だが、ルール作りに積極的に参画しないと今後も負け続けは必至
2012-02-05 10:35


218
築山節『脳が冴える勉強法』☆8
築山節『脳が冴える勉強法』
内容のほとんどは勉強法について書かれた本に書かれていること。著者が脳神経外科専門医ということで医学的な裏付けがあるため説得力は高い。結局、より効率的な勉強法はあるけど、正攻法が王道って事なんでしょうね
2012-02-06 09:07


219
加藤鷹『エリートセックス』☆8
加藤鷹『エリートセックス』
テクニックよりも女性への気遣い、相手の気持ちに気づくための観察力・読解力の重要性を説く。対人関係一般に通用する話だが、著者のような細やかな心遣いがもう才能の水準に達してて、なかなかマネできないのも確か
2012-02-07 09:12


220
荘司雅彦『13歳からの法学部入門』☆7
荘司雅彦『13歳からの法学部入門』
法学の全体像(基礎知識や法の歴史、法というシステム)が書かれています。六法など個別法の説明がされている訳ではないが、その前提として必要な知識が書かれている。法律の世界を覗いてみたいという方にオススメ!
2012-02-08 14:12


221
青木人志『「大岡裁き」の法意識』☆9
青木人志『「大岡裁き」の法意識 西洋法と日本人』
日本法制史を振り返りながら、日本人の法意識がどのようなものであり、日本の法制度はそれにマッチしているのかを検討する。自己責任が日本では責任回避の文脈で使われているという阿部氏の指摘は卓見。全編オススメ。
2012-02-09 08:53


222
香西秀信『議論術速成法』☆9
香西秀信『議論術速成法』
論理的思考やディベートの本は数あれど、「ひたすら良いと思った議論の型を収集する」という方法論は珍しい。野暮ったいようだが、一番実戦的なのは確か。紹介される著者収集の議論がオムニバスとして読んでも秀逸!
2012-02-10 09:02


223
山田ズーニー『伝わる・揺さぶる!文章を書く』☆10
山田ズーニー『伝わる・揺さぶる!文章を書く』
小手先のテクニックに陥らず、相手に伝わる文章を書くという大きな視点から文章の書き方を説明した良書。齋藤孝『誰も教えてくれない人を動かす文章術』と似てる部分もあるが、具体的な技法も盛り込んであり使える!
2012-02-11 11:50


224
内田樹『街場のメディア論』 ☆10
内田樹『街場のメディア論』
メディアを素材に、現代社会の問題の構造(商取引モデルの蔓延)を解き明かし、最後は構造主義から贈与経済の話まで及ぶ。己の無知・無能を言い立てて被害者側に立つことで「免責特権」を得る、など随所で目から鱗!
2012-02-12 11:44


225
小田嶋隆『テレビ標本箱』☆9
小田嶋隆『テレビ標本箱』
2002年から2006年のテレビ批評コラム。視点もしっかりしてるし、毎回テーマがきちんと設定されているので、今読んでも十分楽しめる。というか、本書の指摘から更に悪化しているのが今のテレビなんですよね…
2012-02-13 08:39


226
大栗道榮『図説「理趣経」入門』☆9
大栗道榮『図説「理趣教」入門』
かつて真言宗立川流(徳川幕府により邪教として弾圧)に曲解された真言宗の重要経典。実はお経って「大学入試実況中継」風でTVショッピングのノウハウ満載だったりしますhttp://bit.ly/qvM5GC
2012-02-14 12:42


227
鴻上尚史『あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント』☆9
鴻上尚史『あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント』
演劇・演出の技法を応用し、感情・声・体・言葉の4つで、自分をより魅力的にするヒントを紹介した本。こういう話は知る人ぞ知るコツなんだろうけど、「話すときの三つの輪」など、知ってると知らないとでは大違い!
2012-02-15 09:27



228
桂枝雀『桂枝雀のらくご案内』☆9
桂枝雀『桂枝雀のらくご案内』
不世出の天才・桂枝雀が、持ちネタにしていた60の落語について書いた本。解説とエッセイの中間で読みやすいが、ネタを演じるときのポイントや人生観などもさらりと書いてあったりする。CD全集と一緒に読みたい
2012-02-16 12:50


229
山田真哉『経営者・平清盛の失敗』☆10
山田真哉『経営者・平清盛の失敗』
最新の歴史学の知見と経済的視点で、通説と全く違うこの時代の実像が見えてくる! 歴史本としても秀逸だし、現代にも通じる話があるので経済の本としても面白く読める! http://bit.ly/zLDyiQ
2012-02-17 11:20


230
塩田剛三『合気道修行』☆9
塩田剛三『合気道修行』
達人・塩田剛三の自伝。修業時代の話や開祖・植芝盛平の仰天エピソード、ケネディのボディーガードを押さえ込んだなどの逸話がとにかくスゴい!面白い! 挿絵は板垣恵介さん。僕が合気道を始めるきっかけになった本
2012-02-18 11:27


231
架神恭介×辰巳一世『完全教祖マニュアル』☆9
架神恭介×辰巳一世『完全教祖マニュアル』
おふざけテイストではあるが、各宗教についてのエッセンスがしっかりまとまってるし、宗教活動の構造を見事にマニュアルという形に落とし込んでいる。エンタメ本としても教養本としても楽しめる一粒で二度美味しい本
2012-02-19 12:29


232
リチャード・レイン『浮世絵 消された春画』☆8
リチャード・レイン『浮世絵 消された春画』
エロの何がいかんのんじゃい! 文化の多様性という観点から言えば、性におおらかな日本の文・価値観を西洋のそれに徴して否定するのみならず、改変・改竄を加えるに至っては、一体どっちが野蛮なんだと言いたくなる
2012-02-20 11:05


233
三田紀房『ドラゴン桜』(1巻)☆9
三田紀房『ドラゴン桜』(1巻)
倒産寸前の底辺高校を立て直すため、東大合格者を出す!という話。世の中の仕組みや東大に入れば人生開けるという訓話は確かにそうなんだけど、何だろう…『賭博黙示録カイジ』の利根川の演説聴いてるみたいだ(笑)
2012-02-21 09:39


234
三田紀房『ドラゴン桜』(2巻)☆8
三田紀房『ドラゴン桜』(2巻)
基本の徹底的な反復に加え、問題を作らせることで作問者の視点を持たせたりしている。「アンダーラインやマーカーは引くな、覚えた気になってるだけだ!」という指摘は確かにそう。だが全面禁止はそれはそれで極端w
2012-02-22 09:48


235
三田紀房『ドラゴン桜』(3巻)☆8
三田紀房『ドラゴン桜』(3巻)
勉強が苦手な人は辞書や参考書の使い方自体がわかっていないことを指摘し、教科書の重要性を説く。英語はラフな理解でOKってのにも同意。一文毎に細かく正確に意味を捉えるのではなく、まずは内容を大づかみすべき
2012-02-23 10:38


236
三田紀房『ドラゴン桜』(4巻)☆8
三田紀房『ドラゴン桜』(4巻)
この巻では自由英作文対決がメイン。確実に書ける表現だけを使って英文を書くというのは、乱暴なようで意外に大事。「とりあえず形にする」という仕事に要求される最低限(=具体的な成果を残す)というのにも通じる
2012-02-24 09:00


237
三田紀房『ドラゴン桜』(5巻)☆7
三田紀房『ドラゴン桜』(5巻)
やっぱり国語になると急に話が抽象的になるんだよなぁ。国語(読解)と言うよりは小論文の方に話が流れてるし。国語(現代文)で大事なのは、テクニックもあるけれど、扱われるテーマ・ジャンルの知識・内容理解です
2012-02-25 09:46


238
三田紀房『ドラゴン桜』(6巻)☆7
三田紀房『ドラゴン桜』(6巻)
勉強に限らず、何かを学ぶときにはアウトプットが伴った方が吸収効率が高い。人に教えるというのはアウトプットの最たるものだから、教え合いというのは確かに学習効果が高い。教える相手と手間が必要にはなるけど…
2012-02-26 11:16


239
三田紀房『ドラゴン桜』(7巻)☆7
三田紀房『ドラゴン桜』(7巻)
メモリーツリーは内容整理に良さげ。似て非なるマインドマップは英文構造と同じ発想で作られていて日本人には向かないのでは?コーチングについても書かれてるが要は「聞き役に徹し、相手にしゃべらせる」ってことか
2012-02-27 10:44


240
三田紀房『ドラゴン桜』(8巻)☆7
三田紀房『ドラゴン桜』(8巻)
模試の受け方、夏休みの過ごし方など、こういう知識ってなかなか教わらないことだよなぁ。それにしても、作者の考え方が見事なまでに具体的・効率的。さすがマンガ家でタイムカードと朝礼採用してるだけあります(笑
2012-02-28 10:49


241
三田紀房『ドラゴン桜』(9巻)☆8
三田紀房『ドラゴン桜』(9巻)
リスニング対策で音読に同意。むしろ今までが音読を軽視しすぎ。子供の発達段階と中学受験の関係性の指摘にも納得。最後は人の褒め方について。「褒め方を豊富に」ってのは、相手をちゃんと見ろってことなんだと思う
2012-02-29 10:01